田久保市長がチラ見せしたという「東洋大学の卒業証書」。
果たして、その卒業証書は、本物だったのでしょうか?
市議会や市の広報作成時にも提示されたとされる卒業証書に、疑問の声が集まっています。
本記事では、田久保市長がチラ見せした卒業証書の提示時期や目撃証言、田久保市長自身のコメントを紹介します。
田久保市長の「卒業証書チラ見せ」したのはいつ?
田久保市長が東洋大学の卒業証書をチラ見せしたのは、2025年6月4日です。
場所は、市長室。
市長室には、田久保市長の他に中島議長と青木副議長がいました。
その際、田久保市長は、2つ折りのカバーに入った卒業証書らしき書類を一瞬だけチラ見せしました。
本物の卒業証書
SNS上には、本物の東洋大学卒業証書の画像が投稿されています。
実際の卒業証書には、以下のような特徴があります。

- 卒業証書はカバーを開いた左側に貼られている
- 卒業証書の右側に「学部名」と「氏名」が印字
これが、田久保市長がチラ見せした卒業証書とどれほど異なるのか。
次のセクションで比較していきます。
本物の卒業証書と田久保市長がチラ見せした卒業証書の違い
田久保市長がチラ見せした卒業証書は、本物の東洋大学の卒業証書とは明らかに違っていたと指摘されています。
具体的な違いは以下の通りです。
- 本物はカバーの左側に証書が貼られているが、市長が見せたものは右側にあった
- 本来は右側に記載される氏名と学部名が、中央に配置されていた
このような違いから、中島議長は「本物とは異なる印象を受けた」と証言しています。
提示の時間は非常に短く、「じっくり見ることはできなかった」と振り返りました。
確認できたのは“学部名と氏名”程度で、それ以外は把握できなかったとのことです。
田久保市長はすぐにカバーを閉じてしまい、それ以上の説明は行われなかったようです。
卒業証書に関する田久保市長のコメント
田久保市長は、自身が提示した卒業証書について「本物だと信じていた」と繰り返し主張しています。
6月28日には東洋大学を訪問し、大学側から「除籍になっている」との説明を受けたと明かしました。
しかし田久保市長は、「それまで自分が除籍だとは知らなかった」「卒業証書を持っていたため、卒業したと思っていた」とコメントしています。
つまり、提示した卒業証書については「正規のものと信じていた」という立場を取り続けており、意図的な偽装は否定しています。
市の広報誌作成時にも「卒業証書」を提示していた
田久保市長が提示した卒業証書は、市の広報誌作成の場面でも使用されていました。
当選後、伊東市が新市長のプロフィール作成に入った際、秘書課長から「卒業証書を確認したい」との要請がありました。
これに対し、田久保市長は黄ばんだ卒業証書を提示し、秘書課長を含む4人の職員がその場で確認。
誰も偽造を疑わず、そのまま「東洋大学卒業」と広報誌に掲載されることになりました。
その後、田久保氏は「怪文書」の存在を知り、経歴の削除を申し出ましたが、課長は認めませんでした。
卒業証書が本物かは明らかになるのか?
田久保市長は、自身が所持していた卒業証書と東洋大学の卒業アルバムを、静岡地方検察庁に提出。
卒業証書の真偽については、「自らの手を離れた」とし、今後は検察の捜査と判断に委ねる考えを示しています。
今後の捜査結果によって、提示された卒業証書が本物かどうかが明らかになるとみられます。
まとめ|卒業証書の真偽は検察の判断へ
田久保市長が提示した「東洋大学の卒業証書」は、本物の証書とは明らかに異なる点が複数確認されています。
田久保市長自身は「本物だと信じていた」と主張しています。
しかし、大学側からは「除籍である」と説明を受けており、卒業の事実は認められていません。
議長に対するチラ見せの他にも、市の広報誌作成時にも提示されています。
現在、卒業証書と卒業アルバムは静岡地検に提出されており、証拠として検察の捜査対象となっています。
最終的な判断は、司法の場で下されることになります。
今回の「チラ見せ」によって、疑惑がいっそう深まったことは間違いありません。

