北海道滝川市にある人気の温泉施設「滝川ふれ愛の里」が、突如として休業を発表しました。
原因は、浴槽水から検出された基準値を超えるレジオネラ菌。
このニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。
本記事では、滝川ふれ愛の里で何が起きたのか、レジオネラ菌とは何なのか、感染リスクや症状、対処法まで詳しく解説します。
滝川ふれ愛の里でレジオネラ菌検出|施設は当面休業に
滝川市民に親しまれる温泉施設「ふれ愛の里」で、浴槽水からレジオネラ菌が検出されました。
そのため、施設は2024年6月9日から当面の間、営業を休止しています。
検出されたのは基準値超えのレジオネラ属菌
ふれ愛の里では、半年に1回の定期水質検査を実施しています。
今回の検査は、5月28日に実施。
その結果、6月9日に、国の基準を超えるレジオネラ菌の存在が報告されました。
国の基準は「100ミリリットル中10個未満」とされていますが、検査ではそれを上回る数値が確認されたとのことです。
検出されたのは5つの浴槽
浴槽14カ所から採水した結果、5カ所でレジオネラ菌が検出されました。
こうした状況を受け、ふれ愛の里は、安全のための休業を決断しました。
現時点で健康被害は確認されていない
滝川市は、現時点で、レジオネラ菌による健康被害は報告されていないと発表しています。
しかし、感染リスクをゼロにするため、予防的な措置として駐車場も含めて完全に閉鎖されました。
市と施設は、今後の検査結果や消毒作業をもとに対応を検討していくとしています。
再開のめどは未定
再開時期については、明確な見通しは立っていません。
再度の水質検査で安全が確認されるまでは、ふれ愛の里の利用は、できない状態が続きます。
地域住民にとっては残念なニュースですが、安全を第一に考えた対応と言えるでしょう。

実は筆者も、2025年6月9日に「ふれ愛の里」を訪れていました。
昼12時ごろに入館し、入浴後にロビーで休憩をしていたところ、従業員の方から「本日は14時半で閉店になります」との声かけがありました。 理由は「温泉施設の不具合のため」とのこと。
14時半頃には施設を後にしましたが、その時には駐車場の出入り口に従業員が立っていて、 来館者に対して「本日は休館です」と丁寧に説明している様子が印象的でした。
レジオネラ菌は水回りで増える感染症原因菌
レジオネラ菌とは、どのような環境で増殖し、どのような危険性があるのでしょうか。
今回は、滝川ふれ愛の里での検出を機に、レジオネラ菌の性質を詳しく解説します。
自然界に広く存在する菌
レジオネラ菌は、淡水や土壌など自然界にも広く分布しています。
そのため、完全に取り除くのは難しく、日常的な環境でも注意が必要です。
増殖しないよう管理することが、感染予防の基本となります。
人工の水系で増殖しやすい
この菌は、人工的に管理された水まわりで特に繁殖しやすい性質があります。
具体的には、入浴施設の浴槽、冷却塔、加湿器などが主なリスク要因です。
清掃や消毒が不十分だと、短期間で増殖が進む恐れもあります。
高齢者や免疫力が低下した人は注意
レジオネラ菌は、高齢者や基礎疾患を抱える方にとって、特に危険です。
健康な成人でも油断は禁物で、まれに発症することがあります。
菌の性質を正しく理解し、日ごろから注意することが求められます。
レジオネラ症の症状と対処法
レジオネラ菌に感染した場合に発症するのが「レジオネラ症」です。
重症化することもある感染症で、早期の対処が求められます。
レジオネラ症とはどんな病気?
レジオネラ症には、大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは「肺炎型」で、進行すると命に関わるリスクがあります。
もう一つは「ポンティアック熱」と呼ばれ、比較的軽症で済むことが多いものの、油断は禁物です。
主な症状と発症のタイミング
感染後は、2〜10日ほどの潜伏期間を経て、症状が現れます。
高熱や咳、寒気、筋肉痛、頭痛などが主な症状で、インフルエンザと似ていることもあります。
肺炎型では、呼吸困難や意識障害を伴うケースも報告されています。
感染が疑われるときの行動
入浴後や温泉施設を利用したあとに体調が悪くなった場合は、早めに受診することが重要です。
特に、高熱や咳が数日続くときは注意が必要です。
自己判断に頼らず、医師の診察を受けて適切な処置を受けましょう。
まとめ|安全が確認されるまでは慎重な対応を
滝川市のふれ愛の里で発覚したレジオネラ菌検出は、地域住民にとって大きな関心事です。
この記事の内容をまとめると、以下のようになります。
- 滝川ふれ愛の里では、定期検査でレジオネラ菌が基準を超えて検出された
- 検出されたのは5つの浴槽で、安全確認が取れるまで休業が続く
- 現時点で健康被害の報告はないが、予防的措置として営業を中止
- レジオネラ菌は、人工水環境で増殖しやすく管理の難しい菌である
- 感染が疑われる場合は、早めの医療機関受診が重要
レジオネラ菌は、高齢者や免疫力が低下した方を中心に、重症化するリスクがあります。
感染後に発熱や咳が続く場合は、自己判断せず、速やかに医師の診察を受けてください。
ふれ愛の里の営業再開までは、引き続き情報を注視し、冷静な対応を心がけましょう。