札幌市営地下鉄「新道東駅」に「プロノ札幌本店前」という副駅名が登場しました。 企業名が駅名に付くこの表記に、驚いた方も多いのではないでしょうか。
背景にあるのは、札幌市が2024年から本格導入した「副駅名ネーミングライツ制度」です。
これは、企業や施設が広告として副駅名を取得できる新たな取り組みで、収益確保と地域連携の両立を目指しています。
この記事では、この制度の概要と仕組みを解説するとともに、「プロノ札幌本店前」が選ばれた理由、他の導入事例、今後の展開について詳しくご紹介します。
- 地下鉄新道東駅に“プロノ”が付いたワケ
- 副駅名ネーミングライツ制度とは
- 「プロノ札幌本店前」導入の背景と狙い
- 他にもある札幌の副駅名事例
新道東駅に「プロノ」が付いたワケ
2025年6月、札幌市営地下鉄東豊線「新道東駅」に「プロノ札幌本店前」という副駅名が新たに加わりました。
駅名に企業名が併記されるこの表示に、違和感や驚きを覚えた方もいるかもしれません。
実はこれ、札幌市が導入した「副駅名ネーミングライツ制度」によるもので、対象駅の近隣にある認知度の高い施設が条件となっています。
プロノ札幌本店は、新道東駅から徒歩圏内に位置しており、この制度の要件を満たしていたことが採用の背景です。

制度の詳しい内容や導入の狙いについては、以下で解説していきます。
副駅名ネーミングライツ制度とは?
札幌市が導入した「副駅名ネーミングライツ制度」は、企業や団体が地下鉄駅に自社の施設名などを副駅名として掲出できる仕組みです。
これは駅名そのものを変更するのではなく、駅の看板や構内掲示に副駅名として併記されるものです。
正式な駅名は変わらず、改札案内や車内放送でも副駅名は読み上げられません。
制度の主な特徴は以下のとおりです。
- 対象は市営地下鉄の全路線
- 契約期間は1~3年(駅の規模により異なる)
- 駅の看板や出口案内などに表示
- 車内アナウンスでは副駅名は呼ばれない
応募には条件があり、主に次の2点が求められます。
- 駅から概ね1km以内に施設があること
- 誰もが認識できる、地理的目標となり得る施設であること
札幌市にとっては、新たな財源確保の手段であると同時に、地域との関係強化にもつながる仕組みです。
制度は2024年6月に東西線の一部駅から始まり、段階的に対象を拡大。
2025年6月時点では、東西線・東豊線・南北線を含む複数駅で導入が進んでいます。
「プロノ札幌本店前」導入の背景とその意図
「プロノ」が副駅名に応募した背景には、地域密着型の店舗として、より多くの来店を促す狙いがあります。
「プロノ札幌本店」は、2011年にハミューレ本社と同時に開業。
作業着専門店として道内外に展開してきましたが、本店のある東区は、住居エリアと商業エリアが混在する地域です。
副駅名を掲出することで、駅利用者に「近くにプロノがある」と認識してもらいやすくなります。
駅からの道順が明確になることで、初めて訪れるお客様にも親切な導線となるでしょう。
また、企業にとってはブランディング効果も期待できます。



道民にはなじみ深い名前だからこそ、自然に目に留まります。
他にもある!札幌市営地下鉄の副駅名事例
「プロノ札幌本店前」以外にも、札幌市内の複数の駅で副駅名が導入されています。
駅名 | 副駅名 | 契約期間 |
---|---|---|
円山公園駅 | マルヤマクラス前 | 2025年6月〜2026年5月 |
南郷13丁目駅 | 恵佑会第2病院前 | 2025年6月〜2028年5月 |
大谷地駅 | 北星学園大学前 | 2025年6月〜2028年5月 |
新道東駅 | プロノ札幌本店前 | 2025年6月〜2028年5月 |
今後も副駅名の導入は続きますが、一部の駅では応募がなかったため再募集が行われる予定です。
例えば、南北線「中島公園駅」や東豊線「栄町駅」などでは、2025年12月の掲出開始を目指して再び応募が募られています。
副駅名が一般化すれば、企業にとっては広告の新たな選択肢となり、地下鉄利用者にとっては目的地がより明確になるメリットがあります。
まとめ|「プロノ札幌本店前」は地域密着型の副駅名
地下鉄新道東駅に「プロノ札幌本店前」という副駅名がついた背景には、明確な地理的関係と企業の地域連携の意図があります。
この記事の内容をまとめると、以下のようになります。
- 新道東駅の副駅名「プロノ札幌本店前」は、2025年6月から掲出開始
- 副駅名は「ネーミングライツ制度」によって導入された広告の一種
- 副駅名には「駅から1km以内」「認知度の高い施設」が条件
- 「プロノ札幌本店」は駅近くにある作業着専門店で、ハミューレ本社に併設
- 副駅名により店舗認知の向上と地域案内の明確化が期待されている
- 他にも複数駅で副駅名が導入され、今後さらに拡大の見込み
街の風景に静かに溶け込む副駅名。
あなたの最寄り駅にも、企業や施設の名前が加わる日が来るかもしれません。
ぜひ、現地でその変化を確かめてみてください。