SHIROの本社はどこ?北海道に工場を残した理由や 創業地砂川への想い

自然素材を生かしたスキンケアやフレグランスで知られる「SHIRO(シロ)」。

いまや東京・青山を本拠地とし、ロンドンやニューヨークにも展開する世界的なブランドとなりました。

それでもなお、製品の“心”は、北海道・砂川市に根ざしています。

SHIROが砂川に製造拠点を残し続ける理由は、単なる地方創生ではありません。

そこには、創業の地への深い敬意と、地域と共に生きるという企業哲学があります。

この記事では、SHIROがなぜ砂川にこだわるのか、その背景にある想いと戦略をひもときます。

この記事でわかること
  • SHIROが砂川に製造拠点を残す理由
  • 「みんなの工場」や地域活性化の取り組み
  • ブランドとしての哲学と戦略的意義
目次

SHIROが製造拠点を砂川に維持する理由とは?

SHIROは、創業の地である砂川を単なる生産拠点ではなく、ブランドの「源泉」として大切にし続けています。

創業の地・砂川が生んだSHIROの原点

SHIROの前身は1989年に砂川市で設立された株式会社ローレル。

もともとは農産加工品の製造販売を行っていましたが、やがて自然素材の力を活かしたスキンケア商品へと進化を遂げます。

「製品は、砂川の空気や水から生まれている」という創業者・今井浩恵氏の言葉には、ブランドの根幹に“土地の力”があることを物語っています。

本社は移転しても「SHIROらしさ」は砂川にあり

2019年、SHIROは本社を東京・青山に移転しましたが、製造拠点は砂川にそのまま残しました。関東圏での工場新設案は「SHIROらしさを損なう」として却下されたのです。

SHIROにとって、製造とは単なる「ものづくり」ではなく、「土地のエネルギーと向き合うこと」。

だからこそ、創業の地を離れるという選択肢はありませんでした。

「みんなの工場」が象徴する地域共生のカタチ

SHIROが砂川に建てた「みんなの工場」は、地域に開かれた“共創の場”です。

ここには、企業と地域がともに育つ理想の姿が映し出されています。

廃校を再利用した持続可能な施設

「みんなの工場」は、かつての小学校をリノベーションしてつくられました。

建物の床や壁には、間伐材や廃材が活用され、地元建材による環境配慮も徹底。

また、施設の設計には地元住民も参加し、“地域で育てる工場”という新しいモデルを実現しました。

観光と交流の場としての役割

敷地内には、SHIROの製品が体験できるカフェやショップも併設。

地元食材を使ったメニューや限定商品などが提供され、観光客の立ち寄りスポットとしても人気です。

さらに、工場見学や職業体験プログラムを通じて、子どもたちや地域の人々とSHIROの“ものづくり”がつながる仕組みも構築されています。

筆者

私も「みんなの工場」に足を運んだことがありますが、廃校のぬくもりと洗練された空間が絶妙に融合していて、“SHIROらしい美意識”が建物全体から伝わってきました!

地域・素材・未来をつなぐSHIROの戦略的意義

SHIROが砂川に製造拠点を残しているのは、ただの思い出やこだわりからではありません。

そこには、ブランドのこれからを支える大切な理由があるのです。

ブランドの一貫性と素材の調達力

SHIROの代表的な製品「がごめ昆布」シリーズや、酒かす、ゆずなど、北海道の自然素材を使った開発には、地元との密な連携が欠かせません。

製品が“土地の恵み”から生まれている以上、その製造も“その土地”で行われるべきという考えが貫かれています。

「みんなのすながわプロジェクト」で地域を元気に

SHIROは、砂川市の課題でもある人口減少や若者の流出にも正面から向き合っています。

「みんなのすながわプロジェクト」では、観光・教育・雇用創出の3本柱で地域活性化に取り組んでおり、工場見学や職業体験を通じて“まちと企業が育つ仕組み”を実践中です。

SHIROが砂川にこだわる理由まとめ(約1分で読めます)

SHIROがなぜ砂川市に製造拠点を残しているのか。その理由は、単なる伝統や感情ではなく、ブランドとしての“あり方”そのものに深く関わっています。

創業の地を大切にし、地域とともに未来を描こうとする姿勢は、SHIROらしさの源泉でもあります。以下に、そのポイントを整理しました。

  • SHIROの原点は1989年創業の砂川市にあり、自然と共生した製品づくりを支える特別な場所です
  • 本社を東京・青山に移しつつも、製造拠点は砂川に残すという哲学的な判断を下しました
  • 地域共生の象徴「みんなの工場」は、持続可能で市民とつながる空間として機能しています
  • 北海道産素材とのつながりを守るため、製造と地域の密な連携が不可欠です
  • SHIROは、効率性よりも“想い”と“土地とのつながり”を重視した、稀有なブランド戦略を貫いています

SHIROの製品を手に取るとき、その背景にある「砂川」という町の存在にも、ぜひ思いを馳せてみてください。

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