保守的な主張を強く打ち出す「新党くにもり」という政治団体をご存じでしょうか?
「新党くにもり」は、自主憲法の制定や反グローバリズム、消費税廃止など、インパクトのある政策を掲げています。
この記事では、「新党くにもり」の基本情報や主な政策を詳しく解説します。
新党くにもりは保守主義に基づいた政治団体

新党くにもりは、2020年に「国守衆」を母体として結成された保守系政党です。
自主憲法の制定、グローバリズムへの反対、移民政策の否定、さらには消費税の廃止など、強硬な保守主義的政策を掲げています。
国防や伝統文化の尊重を最重要課題としており、「国民の命と大切な人生を守り抜く」というスローガンを掲げています。

大手メディアよりも、YouTubeなどネットメディアを通じて支持を広げているのも特徴です。
主な政策と政治的立場
新党くにもりの主要な政策は以下のとおりです。
- 自主憲法の制定
- 反グローバリズム、反移民政策
- 消費税の即時廃止
- 国防力の大幅強化
- 皇室・伝統文化の重視
- 女性宮家創設への反対
- 中国共産党への対抗姿勢



これらの政策は、現代の日本政治においても極めて強い国家主義的・保守的色彩を帯びており、他の保守政党と共通点が多く見られます。
他の保守政党との違いと共通点
新党くにもりは、以下の保守系・右派系政党と共通する主張を多く持っています。
- 幸福実現党:自主憲法、防衛強化、国家観の重視などで一致
- 日本第一党:反移民、反中姿勢で近い立場
- 維新政党・新風:伝統文化と排外主義的傾向で共通



これらの政党と同様、保守層・ネット保守層を中心に一定の支持を受けています。
新党くにもりの来歴と主なメンバー【時系列まとめ】


新党くにもりの成り立ちとメンバーの変遷を時系列で解説します。
◆ 2020年:新党くにもり発足
- 母体となったのは「国守衆」や「国民保守党東京」などの保守系市民団体。
- 2020年9月に「国民保守党東京」から新党くにもりへ改称し、正式に政治団体として活動を開始。
- 初代代表には、本間奈々氏(元総務省官僚)が就任。


◆ 2021年:衆議院選挙に初参戦
- 第49回衆議院議員総選挙にて、国政選挙に初めて挑戦。
- 代表の本間奈々氏が和歌山3区、梓まり氏が千葉10区から出馬するも、ともに落選。
- 結果として議席獲得には至らなかったが、ネット中心に活動が広がる。


◆ 2022年:参議院選挙と安藤裕の加入
- 第26回参議院議員通常選挙にて、全国比例および複数の選挙区に候補を擁立。
- この年の春、元自民党衆院議員の安藤裕氏が新党くにもりに参加し、共同代表に就任。
- 比例・選挙区ともに全候補が落選。最多得票はグリスタン・エズズ氏(神奈川選挙区、22,043票)。
- 得票数は各候補数千〜2万票程度にとどまる。


◆ 2023年:離党・除名・内部対立の表面化
- 2月:梓まり氏が離党を表明。
- 秋:本間奈々氏が無所属で和歌山県知事選に立候補したことで、党方針に違反したとして除名処分。
- 同年、稲垣ひでや氏が大阪府知事選に出馬するも、最下位で落選。
- 政策発信や街頭活動は継続されるが、党内の混乱が続く。


◆ 2024年:安藤裕の離党と参政党移籍
- かねてより国政復帰を模索していた安藤裕氏が、参政党への合流を表明。
- 新党くにもりの主要な顔ぶれが次々と党を離れる状況に。
- この年、第50回衆議院議員総選挙には候補者を擁立せず、不参加。
◆ 2025年:参議院選挙に再び挑戦
- 第27回参議院議員通常選挙(大阪選挙区)で、稲垣ひでや氏が再び出馬。
- 得票数は4,832票(得票率0.1%)で、落選。
- 上位候補が50万票を超える中、大きな差を見せつけられる結果に。
◆ 現在の状況(2025年時点)
- 党代表:水島総(保守系メディア「チャンネル桜」代表)
- 幹事長:三輪和雄(2022年参院選に全国比例で出馬)
- 現時点での国政議員はゼロ。選挙得票も1万票未満にとどまる。
- 活動の中心は、インターネット・街頭演説・保守系メディアでの発信。




主なメンバーの変遷まとめ(抜粋)
氏名 | 所属・役職 | 状況 |
---|---|---|
本間奈々 | 初代党代表 | 2023年に除名 |
梓まり | 千葉代表 | 2023年に離党 |
安藤裕 | 共同代表 | 2024年に参政党へ移籍 |
稲垣ひでや | 大阪候補者 | 現在も出馬継続中 |
水島総 | 現党代表 | 保守系言論人 |
三輪和雄 | 幹事長 | 全国比例出馬経験あり |
新党くにもりの選挙結果


新党くにもりは、2021年以降、複数回にわたり国政選挙へ候補者を擁立しています。
しかし、現在までに国政での議席獲得には至っていません。
2021年 衆議院選挙に初参戦
新党くにもりは、2021年の第49回衆議院議員総選挙で初めて国政選挙に挑みました。
小選挙区から複数の候補者を擁立し、注目を集めました。
代表的な候補は以下の通りです。
- 梓まり氏(千葉10区):政治団体役員として出馬
- 本間奈々氏(和歌山3区):元総務省官僚として立候補



いずれも落選という結果に終わりましたが、保守的な政策を前面に出した活動が話題となりました。
2022年 参議院選挙では複数候補が出馬
新党くにもりは、2022年の第26回参議院議員通常選挙にて、小選挙区と比例代表の両方で複数の候補者を擁立しました。
候補者の多くが小選挙区で立候補し、党代表の本間奈々氏をはじめ、あんどう裕氏、梓まり氏などが注目を集めました。
しかし、いずれの候補も当選には届きませんでした。
主な候補者と得票数(一部抜粋)
- グリスタン エズズ(神奈川選挙区)…22,043票
- あんどう裕(東京選挙区)…20,758票
- 梓まり(千葉選挙区)…18,329票
- 沢田英一(北海道選挙区)…16,006票
- 谷口たかひろ(和歌山選挙区)…14,200票
- 本間奈々(全国比例)…13,563票
- 稲垣ひでや(兵庫選挙区)…8,989票
- ごとうよしひろ(大阪選挙区)…6,217票
- 平井もとゆき(京都選挙区)…5,414票
- 三輪和雄(全国比例)…2,391票
得票数が一万票を超える候補も複数いました。
しかし、いずれも当選ラインには届かず、比例代表・選挙区ともに議席獲得はゼロという結果に終わりました。
2024年 衆議院選挙には不参加
2024年に実施された第50回衆議院議員総選挙には、新党くにもりは候補者を擁立しませんでした。
この年は、他の保守系団体も選挙戦に苦戦する中で、新党くにもりは出馬を見送りました。
そのため、2024年は新党くにもりとしての国政選挙での活動実績はありません。
2025年 参議院選挙に候補者を擁立
2025年の第27回参議院議員通常選挙(大阪選挙区)において、新党くにもりは再び国政に挑みました。
今回の選挙で出馬したのは、稲垣ひでや氏です。
稲垣氏は、小売サービス業に従事し、「経済・財政・農林水産政策の立て直し」を重点政策に掲げて立候補。
しかし、結果は4,832票(得票率0.1%)にとどまり、最下位から2番目の21位という厳しい結果に終わりました。
当選ラインとなった候補者(上位4名)はいずれも50万票を超える得票を得ており、新党くにもりの存在感は限定的だったといえます。
順位 | 候補者名 | 所属 | 得票数 | 得票率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 佐々木りえ | 日本維新の会 | 653,666票 | 15.5% |
… | … | … | … | … |
21位 | 稲垣ひでや | 新党くにもり | 4,832票 | 0.1% |
22位 | 上妻敬二 | 救世主作る党 | 1,292票 | 0.0% |



このように、2025年の参院選においても議席獲得には至らず、新党くにもりの国政進出は今回も実現しませんでした。
これまでの主要な国政選挙参加まとめ
新党くにもりが参加した、過去の主要な国政選挙は以下の通りです。
年度 | 選挙名 | 結果・内容 |
---|---|---|
2021年 | 第49回衆議院議員総選挙 | 本間奈々氏(和歌山3区)、梓まり氏(千葉10区)らを擁立するも全員落選 |
2022年 | 第26回参議院議員通常選挙 | 全国比例・選挙区に複数候補を擁立。最多得票者はグリスタンエズズ氏(22,043票)だが、議席獲得には届かず |
2024年 | 第50回衆議院議員総選挙 | 候補者の擁立は行われず、不参加 |
2025年 | 第27回参議院議員通常選挙 | 稲垣ひでや氏が大阪選挙区に出馬。4,832票(得票率0.1%)で21位、落選 |
これらの結果からもわかるように、新党くにもりは複数回にわたり国政選挙に挑戦しているものの、議席獲得には至っていません。
新党くにもりとは?メンバー選挙歴などまとめ


この記事では、新党くにもりについて解説しました。
新党くにもりは、強い保守的思想と独自の政策を掲げる小政党です。
この記事の内容をまとめると、以下のとおりです。
- 新党くにもりは、2020年設立の保守政党
- 自主憲法制定・消費税廃止などが主要政策
- 他の保守系・右派系政党と主張が近い
- 過去の国政選挙ではすべて落選している
- ネットメディアを通じた発信が中心
保守政党の中でも、より強い思想的立場を持つ新党くにもりの動向に、今後も注目が集まりそうです。



