北海道でも急増中?SNSで狙われるロマンス詐欺の手口と防止策を解説

SNSやマッチングアプリの普及に伴い、近年急増している「ロマンス詐欺」。

北海道内でも被害が相次ぎ、中には数千万円から数億円にのぼる深刻な事例も報告されています。

実際に会ったことのない相手とのやり取りで、恋愛感情を抱かせた後に金銭を要求するという手口が特徴です。

誰でも被害者になる可能性があるからこそ、手口を知り、対策を講じることが重要です。

この記事では、北海道で発生した最新のロマンス詐欺事例をもとに、犯人の手口や心理操作の特徴、そして被害を防ぐための具体策まで詳しく解説します。

目次

北海道で多発するロマンス詐欺の最新事例

北海道でも、SNSを通じて知り合った相手に金銭をだまし取られるロマンス詐欺の被害が相次いでいます。

以下では、2025年に実際に報告された代表的な事例を紹介します。

函館市・60代女性が約1,000万円を詐欺被害に

2024年12月、函館市に住む60代女性は、Facebookで「佐藤雄大」と名乗る人物と知り合いました。

やり取りを続けるうちにLINEに移行し、「私の妻であれば幸いです」といった結婚を匂わせる言葉で信頼を得ていきます。

その後、「お金を増やすために投資をしよう」と誘われ、2025年2月から3月にかけて19回にわたり合計約1,030万円を送金。

不審に思った金融機関が警察に通報したことで、詐欺被害が発覚しました。

札幌市南区・50代男性がSNSで投資話に騙される

札幌市南区に住む50代男性は、SNS上で知り合った日本人女性とやり取りを重ねる中で「投資すれば儲かる」と勧誘されました。

その話を信じ、現金660万円を相手に送金。後に詐欺であるとわかり、警察が捜査を進めています。

このケースも、恋愛感情と投資話を結びつけた典型的なロマンス詐欺と見られています。

札幌市東区・暗号資産詐欺で4億円超の被害も発生

札幌市東区では、60代男性がSNSで知り合った女性から暗号資産投資を勧められました。

信頼関係を築かれた上で、多額の資金を分割して送金し、最終的な被害総額は4億600万円にのぼりました。

これは北海道内で確認されたロマンス詐欺としては、過去最高額の被害です。

詐欺師は実際に会わないまま、巧みに被害者の信頼を得て大金を引き出しています。

ロマンス詐欺の代表的な手口とその傾向

ロマンス詐欺は、恋愛感情を利用して金銭をだまし取る手口です。

ここでは、詐欺師がよく使う典型的なパターンや、道内で多く見られる傾向を解説します。

SNSを通じて恋愛感情を操作する典型的な流れ

詐欺師はFacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSでターゲットを見つけ、親しげなメッセージを送って接近してきます。

時間をかけて信頼関係を築いた後、「結婚したい」「あなたと将来を考えている」などの言葉で恋愛感情を高めます。

そして十分に信頼させたタイミングで、「困っている」「投資で成功しよう」などの名目で金銭を要求してきます。

「SNS型投資詐欺」の実態と巧妙な誘導手法

最近のロマンス詐欺では、「SNS型投資詐欺」という新たな手口が増加傾向にあります。

たとえば、「海外口座に振り込めば暗号資産で運用する」「特別な投資プランがある」などといった誘いが使われます。

これにより、現金だけでなく仮想通貨による送金も行われ、被害額が高額化しやすいのが特徴です。

実際に道内では数千万円から数億円規模の被害が報告されており、非常に深刻な状況です。

詐欺を見抜いた金融機関や量販店の対応例

一方で、金融機関や家電量販店の職員の機転により、未然に被害が防がれた事例もあります。

たとえば、大金を何度も送金しようとする高齢者に対し、「相手のことをご家族に相談しましたか?」と声をかけたことが、事件発覚のきっかけになったケースもあります。

周囲のサポートや第三者の視点が、被害防止につながる重要な鍵となっています。

詐欺師が使う心理テクニックとは?

ロマンス詐欺は、単に嘘をつくだけでは成立しません。

詐欺師は被害者の心理に深く入り込み、信頼を得た上で金銭を引き出す高度な手法を使っています。

ここでは、詐欺師がよく用いる心理的テクニックを紹介します。

ラポール形成や好意の原則で心の隙を突く

まず詐欺師は、時間をかけて被害者との信頼関係を築こうとします。

これを「ラポール形成」と呼び、親切な言葉や共感的な姿勢で距離を縮めていきます。

さらに、「趣味が合う」「価値観が似ている」といった共通点を強調することで、被害者に好意を抱かせるのが特徴です。

少額から始まる金銭要求「フット・イン・ザ・ドア」

最初から高額な金銭を要求することはありません。

「スマホが壊れてしまった」「交通費を少しだけ貸して」といった小さな頼みごとから入り、次第に要求をエスカレートさせていきます。

一度応じてしまうと、「ここまでやったから」と断りにくくなる心理を突く手法です。

緊急性や返報性を利用した心理的誘導

「今振り込めば間に合う」「チャンスは今日まで」といった言葉で、被害者に急がせ冷静な判断を失わせます。

また、相手が何らかの「恩」を与えてきた後に要求されると、人はお返しをしたくなる傾向があります。

これが「返報性の原理」と呼ばれるもので、詐欺師はここも巧みに利用します。

このように、詐欺師は心理学的知識を武器に、相手の行動をコントロールしようとします。

手口の巧妙さに惑わされないよう、冷静に相手の意図を見極める視点が欠かせません。

ロマンス詐欺を未然に防ぐ7つの対策

ロマンス詐欺は誰にでも起こり得る犯罪です。

被害を未然に防ぐためには、冷静な判断と具体的な行動が必要です。

ここでは、今すぐ実践できる7つの対策を紹介します。

1. 実際に会ったことのない人からの金銭要求には応じない

SNSやマッチングアプリでどれほど親しくなったとしても、会ったことがない相手からの金銭の話は、まず詐欺を疑いましょう。

「貸してほしい」「送金してほしい」などの申し出があれば、それ以上のやり取りは避けることが重要です。

2. 投資や副業の話が出た時点で警戒する

「確実に儲かる」「特別な案件がある」などと投資を勧めてくる場合、極めて高い確率で詐欺です。

どれほど魅力的に聞こえても、見ず知らずの相手が儲け話を持ちかけてくる時点で、警戒すべきです。

3. 個人情報を安易に教えない

相手に信用されたいと思っても、住所・電話番号・勤務先・銀行口座などの情報は絶対に伝えないでください。

個人情報を与えることで、さらに詐欺の被害が拡大するおそれがあります。

4. 相手の話やプロフィールを検証する

相手の言っていることに矛盾がないか、ネットで検索したり、ビデオ通話で確認するなどして慎重に確認しましょう。

ただし、フェイク画像やAIで作成された動画なども存在するため、過信は禁物です。

5. 少しでも違和感を覚えたら相談する

自分一人で判断せず、警察(#9110)や消費生活センター、家族や信頼できる人に相談してください。

「騙されているかもしれない」という不安を持った時点で、行動することが大切です。

6. 証拠を保存しておく

やり取りのメッセージや送金記録は、スクリーンショットや紙に印刷するなどして残しておきましょう。

万が一被害に遭った場合、警察や弁護士に相談する際の重要な証拠となります。

7. 「自分だけは大丈夫」と思わない

詐欺師は巧みに人の心に入り込み、誰でも被害者になり得る状況を作り出します。

最も有効な防衛策は、日頃からロマンス詐欺の実態を知り、常に警戒心を持つことです。

まとめ|北海道でも急増中のロマンス詐欺、まずは疑うことが大切です

北海道内でもロマンス詐欺の被害が目立ち始めており、SNSやマッチングアプリを通じて恋愛感情を利用した手口が広がっています。

被害者は信頼関係を築かれたうえで投資や送金を求められ、高額な金銭をだまし取られるケースが多発しています。

実際に会っていない相手から金銭の話が出た時点で、まずは詐欺を疑う意識が必要です。

また、少しでも違和感を覚えたら、ひとりで抱え込まずに警察や専門機関に相談することが、被害を防ぐ最善の方法です。

自分や家族を守るためにも、詐欺の手口と対策を知り、冷静な判断力を持ちましょう。

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