写真家・宇井眞紀子さんとは?「アイヌの伴走者」として生きる─写真集第2弾へCF始動

33年にわたって日本の先住民族・アイヌの「いま」を記録し続けてきた写真家、宇井眞紀子さん。

その視線はいつも、表層的なイメージの奥にある「人そのもの」に向けられてきました。

2025年4月、宇井さんは新たな挑戦として、写真集『アイヌ、100人のいまⅡ(仮)』の出版に向けたクラウドファンディングをスタートしました。

この記事でわかること
  • 宇井眞紀子とはどんな写真家か
  • アイヌを撮り続けてきた30年の歩み
  • 写真集『アイヌ、100人のいまⅡ』について
  • クラウドファンディングの目的と概要
目次

宇井眞紀子とは何者か|写真家としての軌跡とアイヌ文化へのまなざし

数十年にわたりドキュメンタリー写真の世界で活動してきた宇井眞紀子さんは、特にアイヌ文化を主題とした作品群で高い評価を受けている写真家です。

1960年に千葉県で生まれ、武蔵野美術大学および日本写真芸術専門学校を卒業後、著名な報道写真家・樋口健二氏に師事。

社会的視点と表現力を磨き、フリーランスとして写真の世界に踏み出しました。

社会から周縁化された人々に寄り添う視線を持ち続け、その活動はハンセン病療養所の記録から、東京の廃線跡、さらにはダンサーや被災地の人々へと広がっています。

しかし何よりも、1992年から継続して取り組む「アイヌの記録」は、彼女のライフワークとも呼べる存在です。

アイヌとともに歩んできた30年|写真を通じて描く「いま」の記録

1992年、ある新聞記事で「ダム建設によってアイヌの聖地が失われようとしている」と知った宇井さん。

その衝撃から、アイヌ民族の人々を訪ね歩く旅が始まりました。

幼い子どもを連れながら、各地を訪ね、日常と文化を記録していきます。

代表作『アイヌ、100人のいま』(2017年刊)は、日本各地に暮らす100人のアイヌを「リレー形式」で撮影した画期的なプロジェクト。

撮影地や服装などの設定はすべて被写体本人が決め、さらに「次に撮影してほしい人」も被写体自身が選ぶという方式をとりました。

この撮影手法は、被写体と撮影者の力関係を見直すもの。

アイヌの人々が主体的に自分自身を表現できるよう、カメラを向ける姿勢そのものが問われ続けた30年でもありました。

写真集第2弾『アイヌ、100人のいまⅡ』への挑戦|クラウドファンディング開始

前作から8年を経て、宇井さんは再び100人のアイヌの「いま」を記録しました。

リレーは新たな被写体へとつながり、多様な人生と表現が一冊の写真集に結実しようとしています。

出版にかかる費用を集めるため、2025年4月24日からクラウドファンディングが開始されました。

プロジェクトの詳細は以下の通りです。

  • 写真集タイトル(仮):『アイヌ、100人のいまⅡ』
  • 判型:B5変形/上製本/120ページ予定
  • 著者:宇井眞紀子
  • 発行予定:株式会社皓星社
  • クラウドファンディング期間:2025年4月24日(木)10:00〜6月20日(金)23:00
  • プロジェクトページ:https://readyfor.jp/projects/ainusyasinsyu2

この写真集は、単なる記録や資料ではありません。

現代を生きるアイヌの人々のリアルを伝える「声」であり、「まなざし」であり、未来への「メッセージ」でもあるのです。

まとめ|写真を通してつながる記憶と未来の架け橋に

宇井眞紀子さんが30年以上にわたり撮り続けてきたアイヌの「いま」は、過去と未来、個人と社会をつなぐ大切な記録です。

この記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 宇井眞紀子さんは、社会と向き合うドキュメンタリー写真家であり、特にアイヌ文化の記録者として高く評価されている
  • 1992年から全国のアイヌを訪ね、彼らの生活と文化を丁寧に記録し続けてきた
  • 代表作『アイヌ、100人のいま』では、被写体が主体となるリレー形式を採用
  • 2025年4月、第二弾となる写真集『アイヌ、100人のいまⅡ』の出版を目指しクラウドファンディングを開始
  • この写真集は、現代のアイヌの姿と声を伝える社会的・文化的意義のあるプロジェクト

宇井さんの活動と思いに共感された方は、ぜひプロジェクトページを訪れ、支援やシェアで応援してください。

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