2025年4月26日から、北海道新聞朝刊で新たな連載小説『きずもの』が始まります。
執筆を手がけるのは、直木賞をはじめ数々の文学賞を受賞してきた作家・西加奈子さん。
新聞連載は初挑戦となる彼女が、揺れ動く現代社会を舞台に、人と人との関係をどう描くのか、早くも注目が集まっています。
本記事では、『きずもの』の見どころはもちろん、西加奈子さんの経歴や代表作、作品に込められた想いまで詳しくご紹介。
朝のひとときに読むにふさわしい、心に残る物語の幕開けです。
『きずもの』とは?|人と人との関係を描く現代小説
このセクションでは、2025年4月から北海道新聞で連載が始まる小説『きずもの』について、作品の概要や舞台背景、作家本人の言葉から読み取れるテーマなどを詳しくご紹介します。
2025年4月26日から北海道新聞朝刊にて連載開始
新連載小説『きずもの』は、2025年4月26日より北海道新聞の朝刊にてスタートします。
朝のひととき、コーヒーを飲みながらじっくり読みたくなるような、日々の暮らしに寄り添う作品です。
新聞連載というフォーマットで、物語が少しずつ積み上がっていく楽しみが味わえます。
価値観が揺れる現代社会が舞台
本作は、“価値観の更新を迫られる現代”を背景に、人と人との関係性を見つめ直すストーリー。
SNSや多様性、社会の分断といった現代的なテーマが滲む中、それでもなお人とつながっていくことの意味を丁寧に掘り下げていくような内容になりそうです。
日々の生活に寄り添う“同居人のような物語”
西加奈子さんは「新聞連載は、日々の生活を共にする“同居人”のようなもの」と語っています。
つまり、読者と毎日少しずつ関係を深めていくような小説。
まさに、日常の延長線上で読める文学として、朝刊の一ページを豊かにしてくれる存在になるでしょう。

忙しい朝に短い時間でも“心の余白”をくれる物語が始まるって、道新読者として本当に楽しみ!連載が日課になる予感しかありません。
西加奈子とは何者?|その経歴と作家としての魅力
このセクションでは、小説『きずもの』を手がける西加奈子さんについて、作家としての経歴や創作スタイル、作品に込められた視点の魅力をご紹介します。
国際的な背景を持つ彼女の“ことば”が、なぜこれほど多くの読者の心をつかむのか。
その秘密に迫ります。
テヘラン生まれ・大阪育ちの異色の経歴
西加奈子さんは1977年、イランのテヘランで生まれ、幼少期をエジプト・カイロと大阪で過ごしました。
文化も言語も異なる環境を経て日本で育った経験は、彼女の作品に通底する“視点の豊かさ”と“他者へのまなざし”に強く影響しています。
2004年『あおい』でデビュー後、多彩なジャンルで活躍
2004年、長編小説『あおい』で作家デビュー。
以降、『さくら』『きいろいゾウ』『ふくわらい』『サラバ!』など、家族、アイデンティティ、社会との関係をテーマにした作品を次々と発表。
純文学からエンタメ、ノンフィクションまで幅広いジャンルを自在に行き来する作家として知られています。
ユーモアと感情の深さが共存する作風が魅力
彼女の小説は、笑いと痛みが隣り合わせにあるような独特の空気感が魅力。
時に思わず笑ってしまう軽妙な語り口の中に、誰しもが抱える傷や違和感をそっとすくい上げてくれるような優しさがあります。
読後には、心のどこかにそっと残る“言葉の棘”がある、そんな作風です。
代表作と受賞歴|西加奈子の軌跡をたどる
このセクションでは、西加奈子さんがこれまでに手がけてきた代表作と、受賞歴を通じて見える作家としての軌跡をご紹介します。
小説だけでなくエッセイ、ノンフィクションまで幅広く活躍する彼女の“ことば”が、どのように評価され、読者に届いてきたのかを振り返ります。
『通天閣』『ふくわらい』『サラバ!』など話題作多数
西加奈子さんの代表作は数多くありますが、中でも『通天閣』は大阪の風景を背景に人間模様を描き出し、織田作之助賞を受賞。『ふくわらい』は、心の形を問う挑戦的な物語で河合隼雄物語賞を獲得。
そして『サラバ!』は、エジプトと日本を舞台にした壮大な成長物語で、作家生活10周年を記念する代表作となり、累計100万部を突破しました。
直木賞、読売文学賞など数々の文学賞を受賞
その実力は多くの文学賞によっても裏付けられています。
- 直木賞(2015年):『サラバ!』
- 織田作之助賞:『通天閣』
- 河合隼雄物語賞:『ふくわらい』
- 読売文学賞(随筆・紀行賞/2024年):『くもをさがす』
文学界の中でも確かな評価を受けている、実力派作家のひとりです。
最新作『くもをさがす』で随筆の魅力も発揮
2023年に刊行されたノンフィクション『くもをさがす』では、自身の乳がん闘病体験を綴り、大きな反響を呼びました。
日常の中にある痛みや不安を、率直で軽やかな語り口で表現し、多くの共感を集めました。
西さんの“ことば”は、小説だけでなく、エッセイや随筆の世界でも人の心に深く届いています。
まとめ|西加奈子と『きずもの』が描く、現代の“きず”と向き合う旅
西加奈子さんによる初の新聞連載小説『きずもの』は、2025年4月26日から北海道新聞朝刊でスタートします。
人と人との関係が揺れやすいこの時代において、物語がもつ力を改めて感じさせてくれる一作になりそうです。
毎朝、ほんのひとときでも“言葉”と向き合う時間を持つことは、私たちの日常にそっと余白を与えてくれるはず。
- 『きずもの』は、人間関係をテーマにした西加奈子さん初の新聞連載小説
- 連載は2025年4月26日より北海道新聞朝刊にてスタート
- 作家・西加奈子さんは国際的な背景を持つ、直木賞受賞の実力派作家
- 『サラバ!』『ふくわらい』『くもをさがす』など、数多くの名作を発表
- 現代に生きる“きず”と、そっと向き合えるような物語が始まります
朝刊を開いたその先に、ちょっとだけ自分の心に耳をすます時間。『きずもの』はそんな“静かな読書体験”を届けてくれるはずです。