2025年、Bリーグ1部のプロバスケットボールクラブ「レバンガ北海道」に、ひとりの若き起業家が新オーナーとして就任しました。
その人物こそ、短時間バイトマッチングアプリ「タイミー」を手がけ、わずか数年で上場企業へと成長させた小川嶺氏――。
東京都出身、北海道とは無縁だった彼が、なぜこの地に可能性を感じ、人生をかけた挑戦を始めたのか。
そこには、「地方創生」「街づくり」「スポーツの力」という熱いビジョンと、偶然から始まった“運命的な出会い”がありました。
この記事では、小川氏の人物像からレバンガ北海道との関わり、そして札幌新アリーナ構想まで、注目の動きを徹底解説します。
レバンガ北海道、新アリーナ建設を表明
レバンガ北海道が発表した新アリーナ計画の概要と、その背景にある狙いについて解説します。
1年以内に建設地決定へ
レバンガ北海道が、札幌市中心部に新たなホームアリーナの建設を計画していると発表。
候補地はすでに複数存在し、「駅からのアクセスが良い場所」を軸に、調整が進められています。
発表によると、今後1年以内をめどに、正式な建設地を選定する方針。
ただし、札幌中心部の土地事情は厳しく、条件を満たす場所の確保には多くの課題が伴うと見られています。
総事業費1,000億円、複合施設としての機能も想定
レバンガ北海道が構想する新アリーナは、スポーツ観戦に加えて、オフィスや宿泊施設なども併設する複合型施設として計画されています。
プロバスケットボールの試合だけにとどまらず、さまざまな用途に活用できる空間をめざしており、まちのにぎわいを生む拠点としての役割も期待されています。
事業規模はおよそ1,000億円。
資金は金融機関からの融資に加え、北海道内の企業やインフラ系事業者などに出資を呼びかけ、地域連携による調達を目指します。
また、冬季の集客を見据え、雪国ならではの課題にも対応した設計が検討されている点も注目です。

年間を通じて多くの人が訪れやすい、快適で機能的な施設が目指されています。
都心機能の再構築へ、札幌の「まちづくり」と連動する挑戦
このアリーナが実現すれば、レバンガ北海道の試合環境が一新されるだけでなく、札幌都心の都市機能にも大きなインパクトを与えることになるでしょう。
地域のにぎわいや経済活性化にもつながる、まさに“まちづくり”の一環。
北海道のスポーツ文化と都市の未来をつなぐ、新たな象徴的拠点の誕生が期待されています。



この構想を先頭でけん引するのが、レバンガ北海道の新オーナー・小川嶺氏。
次の章では、その素顔と想いに迫っていきます。
小川嶺とは何者?経歴・実績・人物像まとめ
レバンガ北海道の新オーナー・小川嶺氏のプロフィールや経歴、起業家としての実績、そして人物像について詳しく解説します。
若き起業家、28歳の経歴とは
小川嶺(おがわ・りょう)氏は、1997年生まれの東京都出身。現在28歳です。
立教大学経営学部を卒業し、高校・大学時代からインターンや生徒会長など、リーダーシップを発揮してきました。
「将来は起業家として社会に貢献したい」と考え、大学在学中からビジネスに挑戦。
早くから自分のビジョンを明確に持って行動してきた人物です。
株式会社タイミーを創業し東証上場へ
2017年、アパレル関連事業「Recolle(レコレ)」を立ち上げたのが、小川氏の起業の第一歩。
その後、短期バイトのミスマッチ解消を目的とした新事業に着手し、2018年に「タイミー」というスキマバイトアプリをローンチしました。
「履歴書・面接なしですぐに働ける」革新的な仕組みが大きな支持を集め、サービスは急拡大。
2024年には株式会社タイミーとして、東証グロース市場への上場を果たします。
累計403億円以上の資金調達を実現し、若手起業家として注目される存在となりました。
「街づくり」への情熱と行動力
小川氏の原動力となっているのが、「日本を元気にしたい」「地方に活力を」という強い想いです。
幼い頃に感じた自然の魅力、曽祖父の実業家としての生き様、そして東京一極集中による地域衰退への危機感――。
これらを背景に、北海道での事業展開を進め、レバンガ北海道のオーナーとして「街づくり」に関わることを決意しました。
札幌と東京を毎週行き来しながら、チーム運営にも深く関わる姿勢は、まさに「言葉ではなく行動で示す」スタイル。
ビジネスとスポーツの枠を超えた、新しい地方創生モデルを目指しています。
レバンガ北海道のオーナーになった理由
小川嶺氏がなぜ“縁もゆかりもなかった北海道のプロバスケットボールチーム”のオーナーになる決断をしたのか。
その背景にある想いやきっかけを3つの視点から紐解きます。
地方創生と北海道への熱い想い
小川氏が北海道に注目した理由のひとつが、「地方の未来」に対する強い危機感と期待です。
気候変動の影響で、今後日本の食料生産の中心地となる可能性がある北海道。
そのポテンシャルの高さに着目し、「まだ、可能性を活かしきれていない」と感じたと語っています。
また、札幌を中心に人が集まる仕組みを作らなければ、地方から東京への人口流出は止まらないという課題意識も。
北海道全体の再活性化、その中心に札幌という都市があるべき――。



レバンガを通じて、その未来づくりの一端を担おうとしているのです。
偶然の出会いが導いたレバンガとの縁
レバンガ北海道との出会いは、2023年のある夜、飲みの席で、偶然レバンガのCEO・横田陽氏と隣同士になったことがきっかけでした。
会話の中で、クラブの地域への思いやビジョンに触れ、「この人たちとなら未来を一緒に作れる」と共感を深めていったといいます。
その後は、練習や試合を視察し、自らの目でクラブの現状と熱量を確かめた上で、個人としてオーナーになる決断を下しました。



まさに偶然から始まった縁が、北海道のスポーツ文化とまちづくりの未来を動かす大きな決断へとつながったのです。
「スポーツが人を笑顔にする」ビジョン
小川氏が掲げるのは、「スポーツによって人々が笑顔になり、健康で豊かな生活が実現する社会」の実現。
自身は学生時代サッカー部に所属していたスポーツ好きであり、現在もコンサドーレの試合観戦に足を運ぶなど、競技問わず「スポーツの力」を信じるひとりです。
特にバスケットボールは若い世代に人気があり、テンポが良く、初心者でも楽しめる競技。
今後のビジネスや地域連携を考えても「非常に強い」と語っています。
「折茂代表が本当にやりたいチームづくりを、今なら支えられる」――その思いから、レバンガ北海道への個人出資を決断しました。
まとめ:小川嶺氏が描く、レバンガと北海道の未来


レバンガ北海道が目指す新アリーナ構想は、単なるクラブの強化だけでなく、札幌という都市の未来にまで関わる壮大な挑戦です。
その中心に立つ小川嶺氏は、28歳という若さながら、タイミーの創業から上場を成し遂げた実績を持ち、地方創生に本気で取り組む志を持つ起業家。
偶然の出会いから始まったレバンガとの縁は、やがて“北海道の可能性を信じて投資する”という確かな意思に変わりました。
彼が語るのは、「街が元気になれば、日本も元気になる」というシンプルで力強い信念。
スポーツ、ビジネス、都市開発――そのすべてをつなげる視点こそが、これからの地方再生のカギになるのかもしれません。
レバンガ北海道は今、新たなステージへと歩み始めています。
この挑戦を、私たち一人ひとりの応援が支えていくことができれば、北海道はもっと面白く、もっと誇れる場所になるはずです。