「百条委員会って聞いたことはあるけど、何をするところ?」
そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。
ニュースで「百条委員会が開かれた」と耳にしても、詳しい内容までは知らない方がほとんどです。
この記事では、百条委員会の意味や、どんなときに開かれるのか、どんな権限を持っているのかを、初心者でもわかるようにやさしく解説します。
目次
百条委員会とは?
百条委員会は、地方議会が問題を調べるために特別につくる委員会です。
正式には「地方自治法第100条」にもとづいてつくられます。
百条委員会の特徴
- 強い調査権限がある
関係者を呼び出したり、資料の提出を求めたりできます。 - ウソをつくと罰則がある
呼び出しを無視したり、ウソの証言をすると法律で罰せられます。 - 地方議会がつくる
市議会や県議会などが話し合って決め、特別な委員が調査します。
どんなときに開かれるのか
百条委員会は次のようなときに開かれます。
- 市長や知事などの不祥事や疑惑があったとき
たとえば、税金の使い道に問題があったり、政治資金のトラブルがあったときです。 - 住民や議員から強い調査の要望があるとき
「このままでは納得できない」という声が多いと、議会が動きます。 - 普通の委員会では解決できないとき
百条委員会は特別な権限があるので、通常の調査では難しい問題に使われます。
百条委員会の主な権限
百条委員会には、普通の委員会にはない強力な権限があります。
- 関係者を呼び出す(証人喚問)
必ず出席して話をしないといけません。 - 資料の提出を求める
必要な書類やデータを出してもらえます。 - 罰則がある
出席しなかったり、ウソをつくと、罰金や刑罰を受けます。
こうした権限で、問題の真相を明らかにし、市民の不安をなくすことが目的です。
最近の百条委員会の例
実際にどんなときに使われているのか、最近の例を紹介します。
静岡県伊東市:市長の学歴詐称疑惑
2025年7月、静岡県伊東市で百条委員会が開かれました。
市長が「大学卒業」と広報していたのに、実は中退だったという問題が発覚したためです。
市議会は、市民の信頼を守るため、百条委員会を設置し、市長本人に説明や資料提出を求めています。
兵庫県:知事をめぐる問題
2024年から2025年にかけて、兵庫県でも百条委員会が開かれました。
知事や県の職員によるパワハラ疑惑や物品受け取り問題などがあったからです。
何回も証人尋問が行われ、テレビや新聞でも大きく報じられました。
まとめ
百条委員会は、地方自治体の重大な問題をしっかり調べるために設けられる特別な委員会です。
ふだんの議会だけでは調べきれないとき、関係者を呼んだり資料を集めたりして、真相を明らかにします。
ニュースで「百条委員会」と聞いたら、「大事な問題が起きていて、議会が本気で調査しているんだな」と考えてみてください。
あなたの暮らしにもつながる大切な仕組みなので、ぜひ覚えておきましょう。