物価高騰が続くなか、注目を集めるアメリカ・カリフォルニア産の「カルローズ米」。
北海道内のスーパーでも本格販売が始まり、国産米に代わる選択肢として支持を広げつつあります。
本記事では、カルローズ米の特徴やメリット、美味しく食べるためのポイントをわかりやすく解説します。
- カルローズ米とはどんな米なのか
- カルローズ米が北海道で販売開始された背景
- カルローズ米と国産米の価格や食味の違い
- カルローズ米を美味しく食べるための調理法
カルローズ米とは
カルローズ米とは、アメリカ・カリフォルニア州で生まれた、中粒タイプのジャポニカ米。
日本米とタイ米の中間的な特徴
カルローズ米は、1948年にカリフォルニア州で開発された品種です。
「California(カリフォルニア)」と「Rose(バラ)」を組み合わせた名前のとおり、カリフォルニアで最も多く生産されている米でもあります。
カルローズ米の粒の形状は、日本の短粒種とタイの長粒種のちょうど中間。
やや細長く、見た目の時点で「日本のお米とはちょっと違う」と感じる方もいるかもしれません。
食感は軽く、味はクセがない
実際に炊いてみると、カルローズ米は日本米に比べて粘りが少なく、あっさりとした口当たりが特徴です。
ふっくらというより、パラッと軽い食感が楽しめるのが魅力。
試食した方からは「もちもち感は少ないが、味はほとんど変わらない」との声も。
クセがなく、どんな料理とも相性がよい点も支持される理由のひとつです。
多彩な料理に対応できる万能さ
カルローズ米は、チャーハンやピラフ、リゾットといった炒め系や煮込み系の料理にぴったりです。
私も実際に、カルローズでチャーハンを作ってみましたが、米がパラっと仕上がるため、非常に扱いやすく感じました。
また、ソースやスープを吸いやすいため、味のなじみが良いのも魅力です。

料理の幅がぐんと広がります。
北海道でも販売が本格化
札幌を皮切りに、カルローズ米の店頭販売がスタート。
イオン札幌平岡店での販売開始
2024年6月12日朝、札幌市清田区の「イオン札幌平岡店」では、カルローズ米「かろやか」の販売がスタートしました。
店頭には500袋(1袋4kg・税込2678円)が山積みされ、試食コーナーも設置。



筆者も現地を訪れましたが、価格を見て「これは試してみよう」と手に取るお客さんの姿が多く見られました。
道内のスーパーでも広がる導入
カルローズ米の導入・販売の流れは、イオンだけにとどまりません。
アークスでは台湾産米を試験的に販売し、売れ行きが良好だったことから、アメリカ産の導入も検討中。
コープさっぽろでもカルローズ米の取り扱いを計画しています。



色々な場所で入手できるようになりそうです。
ミニマムアクセス米の仕組み
米の輸入には「ミニマムアクセス(MA)米」と呼ばれる制度があります。
これは、WTO(世界貿易機関)との約束により、日本が毎年一定量(約77万トン)の米を海外から輸入する義務を負っているものです。
このうちの一部は、無関税または低い関税で輸入され、主に加工用や業務用として流通します。



価格を抑えられるため、国産米より安く販売できるのが特徴です。
国産米と比べたメリットと課題
カルローズ米の価格の魅力と味の違いについてご紹介します。
価格は最大4割安いケースも
北海道内で人気の「ななつぼし」などは、5kgで3651円〜4598円(無洗米を除く)が相場。
一方で、カルローズ米は4kg2678円と、1キロあたりで最大4割安い計算になります。
この価格差は、家計が厳しい今、消費者にとっては大きな魅力。
複数のスーパーが導入に踏み切った背景にも、この「価格競争力」があります。
食味の違いはどうか
カルローズ米の味については賛否ありますが、「国産米ほどのもちもち感はないが、普通に美味しい」との声が多数。
とくに、炒めご飯や丼ものなど、少し汁気のある料理では、むしろ、カルローズ米の軽さが生きてきます。



私自身も、カルローズをカレーライスに使ってみたところ、食感が軽くて食べやすかったです。
農家が抱く危機感と今後の懸念
カルローズ米が多く流通する兆しがある中、一方で、米農家の視点は複雑です。
「価格高騰で仕方ない」と一定の理解を示す方もいますが、「輸入米が増えれば国内生産が減る」と強い懸念を抱く農家の方も。
輸入米の普及は、国の食料自給率や食料安全保障にも直結します。



カルローズ米の台頭は、価格以上に深い課題を含んでいます。
美味しく食べる調理のコツ
カルローズ米は、炊き方や料理例を工夫すれば、魅力がさらに引き立ちます。
基本の炊き方は水加減がカギ
カルローズ米は、粘り気が少ないため、水加減がとても重要です。
通常の国産米より、気持ち少なめの水で炊くのがおすすめ。
カルローズ米の炊き上がりはふっくらというより、ややかための仕上がりになります。
このカルローズ米のかたさが炒めものに絶妙に合うのです。
向いている料理は炒飯やリゾット
カルローズ米は、冷めてもパラっと感が残るため、お弁当用にも最適。
私のお気に入りは、トマトベースのリゾット。スープがよく染みて、やみつきになる美味しさです。
チャーハンやジャンバラヤなど、スパイス料理との相性も抜群。
炒めることで味が引き立つので、ぜひ一度試してみてください。
和食にも取り入れられる
意外に思われるかもしれませんが、カルローズ米は和食とも相性が良いです。
炊き込みご飯なども、具材の味をしっかり吸ってくれるので、自然に食卓になじみます。
まとめ|カルローズ米は価格と調理の自由度で新たな選択肢に
家計にやさしく、料理の幅も広がるカルローズ米。北海道でも確実に浸透しつつあります。
この記事の内容をまとめると、以下のようになります。
- カルローズ米はカリフォルニア州で生まれた中粒のジャポニカ米
- 粘りが少なく、軽い食感で炒飯やリゾットに最適
- 北海道内ではイオンなどで販売が始まり、価格は最大4割安い
- 味は癖がなく、国産米との違いはあまり感じられないとの声も
- 一方で、農家からは輸入米拡大への懸念も高まっている
- 和洋中問わずさまざまな料理に使え、調理の自由度が高い
物価高で選択肢が広がる今だからこそ、カルローズ米という新しい選択肢を食卓に取り入れてみてください。