2025年6月、札幌市の北海道大学構内で、バイカルハナウドとみられる有毒植物が見つかりました。
日本では、これまで確認されたことのない種類です。
白い花を咲かせる美しい見た目とは裏腹に、触れるだけで火傷や失明の危険があります。
世界でも最も危険な植物のひとつとされており、注目が集まっています。
この記事では、その特徴や毒性、国内での発見の背景についてわかりやすく解説します。
バイカルハナウドとは?巨大で美しいが猛毒植物

バイカルハナウド(英名:Giant Hogweed、学名:Heracleum mantegazzianum)は、セリ科の多年草で、西アジアを原産とする外来植物です。
バイカルハナウドは、その巨大な姿と白く美しい花が特徴で、かつては欧米で観賞用として人気を集めていました。
しかし、繁殖力が非常に強く、野生化して各地に広がった結果、現在ではバイカルハナウドは「外来有害植物」として警戒されています。
見た目の美しさとは裏腹に、バイカルハナウドは強い毒性を持ち、人にも深刻な健康被害をもたらす危険な植物とされています。
特徴:高さ4メートルにもなる巨大な姿
バイカルハナウドは、その名の通り非常に大きく成長するのが特徴です。
成長すると、高さ2〜4メートルにも達し、遠くからでも目を引くほどの圧倒的な存在感を放ちます。
バイカルハナウドの花は、白く小さな花が密集しており、直径1メートルほどの傘のような形を作ります。
その姿は「巨大なレースフラワー」とも形容され、思わず近づきたくなる美しさです。
また、バイカルハナウドは1株で2万個以上の種子を生産するほど繁殖力が高く、短期間で広範囲に広がる危険性を持っています。
その美しい外見に惑わされて安易に近づいてしまうと、思わぬ被害を受ける恐れがあるため、注意が必要です。
毒性:触れただけで重症のリスクも
バイカルハナウドが「世界一危険な植物」とされる最大の理由は、その強い毒性にあります。
特に注意すべきなのが、バイカルハナウドの茎や葉からにじみ出る樹液です。
このバイカルハナウドの樹液が皮膚に付着した状態で、太陽の光、特に紫外線を浴びると、光線過敏性皮膚炎という深刻な炎症を引き起こします。
まるで火傷を負ったような激しい痛みが生じ、数日後には水ぶくれや腫れが広がることもあります。
さらに、バイカルハナウドの毒性は皮膚だけでなく、目にも影響を及ぼします。
万が一目に入った場合、失明する危険性さえあるとされています。
このように、バイカルハナウドは「触れただけ」で健康に大きな被害をもたらす非常に危険な外来植物です。
その危険性を知らずに接触してしまうケースも多いため、十分な注意が求められます。
北海道大学での発見:国内初の可能性も
2025年6月、札幌市にある北海道大学の構内で、バイカルハナウドとみられる植物が発見されました。
このバイカルハナウドは、これまで日本国内では、生育が確認されていなかった種類です。
そのため、今回の発見は国内での外来植物管理の観点からも、極めて重要な事例とされています。
バイカルハナウドが見つかった直後、北海道大学は安全確保のために該当エリアを立ち入り禁止としました。
また、専門家による詳細な植物調査が進められており、バイカルハナウドと正式に判定されれば、国内初の確認例となります。
北海道大学は学生や一般市民に対し、「絶対に近づかないように」と強く注意を呼びかけており、バイカルハナウドの危険性について広く周知を図っています。
拡大リスクと私たちの注意点
バイカルハナウドは、種子による繁殖力が非常に高いことで知られています。
一度バイカルハナウドが野外環境に定着すると、駆除が難しく、長期間にわたり生態系や人の生活に影響を及ぼします。
もしバイカルハナウドが他の地域にも広がれば、公園や登山道、河川敷など、多くの人が訪れる公共エリアにも被害が及ぶ恐れがあります。
特に自然と触れ合う機会の多い北海道では、そのリスクは無視できません。
発見しても絶対に触れない

バイカルハナウドを見かけた場合、決して触れてはいけません。
見た目が美しくても、バイカルハナウドの樹液には強い毒性があります。
見つけたら専門機関に連絡
バイカルハナウドを発見した際は、自分で処理しようとせず、必ず専門機関に連絡してください。
自治体の環境課や大学、植物園など、信頼できる機関へ報告し、適切な対応を仰ぎましょう。
知識のない状態で無理に駆除を試みると、逆に、健康被害を受ける危険性があります。
バイカルハナウドは、正しく理解し、安全に対応することが何より大切です。
まとめ:北海道でバイカルハナウドを見つけたら「触れず、知らせる」
バイカルハナウドは、美しい見た目とは裏腹に、非常に強い毒性を持つ危険な外来植物です。
火傷のような皮膚炎や、最悪の場合は失明のリスクすらあるため、知識のないまま近づくのは非常に危険です。
2025年6月、北海道大学でバイカルハナウドとみられる植物が発見されたことにより、国内での定着リスクが現実のものとなりました。
今後、北海道内や他地域でも見かける可能性があるため、注意が必要です。
バイカルハナウドを見つけた際には、決して触れず、速やかに専門機関へ連絡することが重要です。
一人ひとりが正しい知識と対応を持つことで、被害を未然に防ぐことができます。