2025年、札幌で開催された世界的eスポーツ大会「Apex Legends Global Series(ALGS)チャンピオンシップ」が大きな成功を収め、世界中の注目を集めました。
そして今回、そのALGSが2026年・2027年も札幌で連続開催されることが正式に決定。世界大会が3年連続で同都市に開催されるのは、ALGS史上初の快挙です。
なぜ「札幌」だったのか?その理由と影響について、詳しくご紹介します。
ALGSとは?
世界的人気を誇る『Apex Legends』の大会ALGSとは何か?
そして札幌で開催された2025年大会の概要とその影響について紹介します。
Apex Legends Global Series(ALGS)とは
ALGSは、世界中のプレイヤーが参加する『Apex Legends』の公式世界大会です。
バトルロイヤル系ゲームの中でもトップクラスの人気を誇るタイトルであり、eスポーツファンにとっての「ワールドカップ」ともいえる存在。
世界各地で予選が行われ、頂点を決めるチャンピオンシップが年に一度開催されています。
2025年大会の概要と来場者数
2025年1月から2月にかけて開催された札幌大会は、5日間で約34,000人が来場。
会場は、旧札幌ドームを改装した「大和ハウス プレミストドーム」。
冬季の北海道でこれだけの動員があったのは、異例中の異例。
海外からの観戦客も多く、国際イベントとしての存在感を示しました。
経済効果13億円超のインパクト
札幌市が発表したデータによれば、2025年大会の経済効果は13億円超。
宿泊・飲食・交通・観光と、あらゆる業種に波及しました。
冬の閑散期にこれだけの効果があったことで、札幌市は、大会の継続開催を戦略的に位置づけるようになりました。
なぜ札幌が再び選ばれたのか
ALGSが札幌で再び開催されるに至った理由とは?
会場の性能、行政の誘致活動、地域のゲーム文化といった要因を詳しく見ていきます。
プレミストドームの高機能な施設環境
プレミストドーム(旧札幌ドーム)は、eスポーツイベントとしては異例の大型全天候型施設。
広大なスペースと音響・照明環境が整っており、ステージ演出にも柔軟に対応できます。
アクセス面でも、新千歳空港から約1時間で到達できる利便性が評価されました。
札幌市・道庁の積極的な誘致体制
札幌市と北海道は、ALGSの誘致にあたり官民連携を強化。
観光局や経済部門が一体となって「eスポーツの聖地化」を進める政策を打ち出し、EA(Electronic Arts)と2026・2027年の大会開催について合意しました。
開催期間中は、観光・文化イベントとの連携も進められ、都市全体で大会を歓迎する姿勢が高く評価されました。
ゲーム産業の集積とeスポーツ文化
札幌には、かつて「ハドソン」などを輩出したゲーム文化の土壌があり、現在も70社以上のゲーム関連企業が拠点を構えています。
IT系の若手クリエイターも多く、地域ぐるみでeスポーツを支える体制が自然と整っていたことも、継続開催の決め手となりました。
3年連続開催の意味と意義
ALGSが3年連続で札幌に決まったことにはどんな意味があるのか?
アジアにおけるeスポーツ拠点としての位置づけを解説します。
ALGS史上初の同都市・連続開催
これまでALGSチャンピオンシップは、北米や欧州を中心に開催されてきました。
しかし、3年連続で札幌開催という前例のない判断がなされたことで、アジア市場の重視と札幌の評価の高さが証明されました。
世界の舞台で「SAPPORO」が確かな存在感を示すチャンスです。
札幌が“アジアのeスポーツ拠点”に
今回の継続開催により、札幌は単なる観光地ではなく、アジアにおけるeスポーツの競技・観戦拠点として期待されています。
東京・ソウル・台北などと並ぶ都市として、国際的なプレイヤーやファンの注目を集める存在になるでしょう。
冬季観光・MICE需要の創出
大会は1月〜2月に予定されており、ちょうどスキー・雪まつりといった冬季観光とも重なります。
さらに札幌市は国際会議・イベント(MICE)の誘致にも力を入れており、eスポーツを軸に新たな地域活性化のモデルが築かれようとしています。
今後の展望と注目ポイント
2026年・2027年大会の予定や、今後の関連イベントの展開など、札幌eスポーツシーンの未来について紹介します。
2026年・2027年の大会日程と見通し
2026年大会(Year 5)は、1月15日〜18日に開催予定。
2027年(Year 6)も同時期に行われる見込みです。
今後のエントリー情報や観戦チケット、配信スケジュールなどは、ALGS公式サイトやSNSで随時発表される予定です。
関連イベント・ツーリズムとの連携
今後は、観光とeスポーツの融合が一層進むことが予想されます。
市内でのスタンプラリー、アニメ・ゲーム関連フェスとのコラボ、学生によるeスポーツ体験会など、多様な周辺企画にも期待が集まっています。
eスポーツで変わる札幌の未来
札幌は、観光都市から「国際eスポーツ都市」へと進化しつつあります。
eスポーツを通じた若年層の流入、IT人材の定着、地域ブランディングの向上など、都市の未来を形作る起点となるかもしれません。
まとめ──札幌がeスポーツの聖地となる日
ALGSが3年連続で開催されることは、単なるイベント継続以上の意味を持っています。
札幌が“eスポーツ都市”として歩み始めたことを示す象徴的な出来事です。
ALGSの3年連続開催という歴史的な快挙は、札幌にとって大きな転換点となりました。
高機能な会場、大会運営への対応力、そしてゲーム文化の蓄積や市民の熱量がすべて揃った今、札幌は“世界が注目するeスポーツの聖地”として確かな存在感を示しつつあります。
2026年・2027年の大会では、選手・ファン・観光客・地元企業のすべてが一体となり、さらなる盛り上がりを生み出すことでしょう。
eスポーツが地域の未来を変えていく、そのモデルケースとして──今後の札幌に大いに期待したいところです。