2025/07/31の会見で、辞職から、市長の続投を表明した田久保市長。
その理由は、「選挙時に掲げた公約の実現に向けた責任を果たすため」。
とくに「新図書館建設計画の中止」や「メガソーラー白紙撤回」といった主要公約の達成を理由としています。
この記事では、田久保市長の選挙時の主な公約と、公約の進捗状況を詳しくご紹介します。
田久保市長の公約とは?

田久保真紀市長が当選した伊東市長選は、2025年5月25日に投開票が行われました。
この選挙で田久保氏は、現職を破り、初当選。
田久保市長が掲げた公約は、大きく4つの柱に分けられます。
田久保市長の公約

今こそ徹底的な経済対策!戦略的なまちづくり 人づくり そして 仕事づくり
1 「新」図書館建設は中止します!!
- 将来設計に合わせた公共設備投資を
- 市民の声を十分に反映した計画への見直しを
2 福祉・教育・医療
伊東市の子育て・福祉政策を重層的支援体制に充実
地域全体で支え合える仕組み作り
地域医療・市民病院への支援体制強化
不登校対策・学校統廃合
保護者と地域の意見を尊重した計画策定を
3 市内経済の再興
新交通サービスの運行開始を
- 観光と災害に強い活気ある伊東のまち
- 老朽化した市内インフラの再整備
- 地域資源を活かした観光と産業の推進
4 しがらみのないクリーンな政治
田久保市長の公約の目玉は2つ
田久保真紀市長の公約の中でも、特に力を入れているのが次の2つです。
- 新図書館建設の中止(すでに実行)
- 伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回(現在も継続協議中)
この2つは、伊東市の将来に直結する大型事業の見直しであり、多くの市民の声を受けた「公約の目玉」といえます。
さらに田久保市長は、「不透明な行政の見直し」にも注力すると宣言。

情報公開の徹底、住民との対話の重視、そして利権に左右されない政治姿勢を掲げ、しがらみのないクリーンな市政運営を目指しています。
対立候補・小野達也氏の公約とは?
2025年伊東市長選で田久保市長と争ったのが、現職で2期目の小野達也氏でした。
小野氏は、「やさしさ」をキーワードに、市民に寄り添う政策を数多く掲げていました。


小野達也の公約を見る
小野達也の公約
たくさんの『やさしさ』で未来を拓く
1 子どもにやさしい
- 子育て中のパパママを応援
- 多子世帯の子育てを応援
- 「こども どまんなか 伊東市」を推進
2 高齢者にやさしい
- 高齢者の活動・学びを推進
- 健康寿命延伸に関する取組に補助
- アクティビティシニアを応援
- 「生涯現役応援事業」を推進
3 働く人にやさしい
- 資格を取得する人を応援
- いとうのたえに頑張ってくれている人を応援
- 「農業×観光」「漁業×観光」の取組を推進
- 地場産品のブランド化を推進
- 物価高騰対策
市民の皆さまの生活と市内事業者支援のため、プレミアム付き商品券を発行します。
- 観光誘客
市内経済の活性化を図るため、宿泊クーポンを活用した誘客キャンペーンを実施します。
小野達也氏の公約まとめ
小野氏の政策は「やさしさ」を軸に、次のような施策が特徴でした。
- 子育て・高齢者・働く世代を総合的に支援
- 伊東市の観光と地場産業の融合を強化
- 即効性ある経済支援策(商品券・宿泊クーポン)を提示
- 福祉や教育を通じて暮らしやすい街づくりを目指す内容



結果的に市民の選択は田久保氏に傾きましたが、小野氏の公約も、伊東市の課題に真剣に向き合ったものでした。
田久保市長が勝った理由を考察
田久保真紀市長が2025年の伊東市長選で勝利した主な理由は、以下の3点です。
- 図書館建設中止を明確に訴え、市民の反対の声を取り込んだ
- メガソーラー計画反対を掲げ、環境と地域を守る姿勢が評価された
- 無所属・市民目線の政治姿勢が、無党派層や既存政治に不満を持つ有権者に支持された



これらの要因が重なり、市民の「変化を望む声」を集めて勝利につながりました。
メガソーラー白紙撤回の公約は実現するか?
田久保市長が必ず実現したいと語った「伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回」。
市民の強い反対と環境問題が絡むこの大型事業は、現在も揺れ動いています。
どんな計画か?巨大メガソーラーパーク構想
- 伊豆高原メガソーラーパーク計画は、43ヘクタールの森林を伐採し、大規模な太陽光発電施設を建設するプロジェクト。
- 景観破壊、生態系への悪影響、土砂災害のリスクなどが懸念されており、地元住民からは強い反対の声が上がっています。
- この計画に対し、2万5,000筆以上の反対署名が集まる。
現在の状況はどうなっている?
- 2025年6月に、事業者に計画中止を正式に要求しました。
- しかし、事業者側は「多額の投資を行ってきた」として、建設を継続する姿勢。
- 伊東市には太陽光発電事業を規制する条例がなく、事業者は静岡県からの林地開発許可を得れば、法的には建設が可能な状況。
- 環境アセスメントや住民との合意形成も不十分なまま、市・住民・事業者の対立が継続。
今後の見通しと焦点
現時点(2025年8月1日)では、計画はまだ正式に白紙撤回されていません。
今後の鍵となるのは次の2点です。
- 県の林地開発許可の判断→ 許可が下りなければ、建設は不可能。審議は継続中。
- 住民が申し立てた裁判所の仮処分命令→ 建設差し止めを求めた裁判の結果は、数ヶ月以内に出る見込み。



田久保市長は、会見でも「必ず実現させる」としていますが、法的・制度的な壁により、決着にはまだ時間がかかると見られます。
まとめ:公約実現へ向け、正念場はこれから
伊豆高原メガソーラー計画は、田久保市長にとって「公約実現の象徴的課題」。
しかし、事業者・法制度・環境行政の壁により、完全撤回には至っていないのが現状です。



今後、県の判断と裁判所の決定が、計画の命運を握ることになります。
図書館建設中止は実行済み、次は再検討へ
田久保真紀市長の選挙公約のひとつである「新」図書館建設の中止は、就任直後に実行に移されました。
2025年8月時点では、建設計画は正式に中止されています。
どんな計画だったのか?
- 伊東市内に新たな図書館を建設する大型公共事業
- 5階建て・延べ5,700㎡の設計が進んでいた
- 総事業費は約42億円
- しかし、市民からは「必要性が見えない」「予算の使い方に疑問」といった声が多くあった
現在の状況:建設中止が正式決定
- 田久保市長は、就任翌日の5月29日に建設中止を表明。
- 翌日の5月30日までに入札中止の手続きが完了し、建設は完全にストップ。
- 計画そのものが「白紙化」された状態
すでに支出された費用とその内訳
- 総事業費のうち、約4億2,000万円がすでに支出済み
- 費用の内訳には、設計費用、備品調達、入札準備費など
- 建築工事には未着手で、残りの予算は今後の市政判断に委ねられています。
今後の方向性:市民と考える「より良い図書館」
- 現在は、「より良い図書館づくり」に向けて市民との意見交換や説明会を実施中。
- 計画の再設計や新たなプロポーザルの検討も進んでおり、新しい図書館の形を模索する段階
- 公約通りの中止は実現しましたが、図書館行政の終着点ではなく、市民とともに再出発す
まとめ:図書館建設は中止、次は市民参加で再出発へ
新図書館建設は、田久保市長の公約どおり、正式に中止されました。
現在は、市民と対話を重ねながら、再出発の段階に入っています。



市民の声を反映した新たな図書館構想の行方に、今後も注目が集まります。
まとめ:田久保市長続投で公約実現なるか!?


この記事では、田久保真紀市長の選挙公約とその進捗状況について解説しました。
田久保市長は、2025年7月31日の会見で辞職を撤回し、「公約をやり抜く責任」を理由に続投を表明。
この記事の内容を振り返ると、ポイントは以下のとおりです。
- 新図書館建設の中止は公約通り実行され、計画は正式に白紙化
- メガソーラー計画の白紙撤回は進行中で、法的・行政的な対立が続く
田久保市長の「市民とともに進める市政」が、どのような成果を上げるのか。
今後の動きにも引き続き注目していきましょう。









