北海道観光機構の会長に唐神昌子氏が就任!トーホウリゾート社長の軌跡

北海道観光機構の会長職が約3カ月間空席となっていた中、ついに次期会長が内定しました。

就任するのは、トーホウリゾート社長の唐神昌子(からかみ しょうこ)氏。

観光業界における女性初の会長として、注目が集まっています。

本記事では、北海道観光機構とは何か、北海道観光機構の会長決定までの背景と経緯、唐神氏の人物像、そして彼女が率いるトーホウリゾートの概要についてご紹介します。

目次

北海道観光機構とは?会長決定までの経緯

北海道観光機構の役割と、今回の会長就任に至るまでの背景を丁寧に解説します。

北海道観光機構とはどんな組織?

北海道観光機構とは、観光に関するさまざまな取り組みを通じて、北海道の魅力を全国・世界へと発信していくための公的な団体です。

正式名称は「公益社団法人北海道観光振興機構」。

北海道庁と観光関連の企業・自治体・団体などが連携して設立され、観光プロモーション、調査研究、施策提言などを行っています。

観光客の誘致や受け入れ体制の整備、地域との連携、観光人材の育成なども手がけており、北海道観光の“司令塔”ともいえる存在です。

北海道の観光は、農業や水産業と並んで経済を支える大黒柱。

その振興を担う北海道観光機構は、まさに地域の未来を左右する重要な組織です。

前会長の急逝による空白と混乱

2025年1月、小金澤健司前会長が急逝。

道内観光消費額の倍増を目指す旗振り役として期待されていただけに、その衝撃は大きく、業界内には混乱が広がりました。

小金澤氏は2022年から会長を務め、観光産業の再興に尽力。

特に新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた北海道観光業界において、復活への指針を示したキーパーソンでした。

会長職は、中村智専務理事が一時的に代行していましたが、正式な後任決定には時間を要し、観光業界内では不安の声も上がっていました。

なぜ唐神氏が選ばれたのか?

後任会長の選定は、道内の経済人や元行政官など複数の候補が挙がる中、難航を極めました。

北海道庁が推す候補もいたものの、観光業界側の反発もあり、調整は難航。

そうした中で浮上したのが、トーホウリゾート社長であり、北海道観光機構副会長を務めていた唐神昌子氏。

観光の現場を知り、地方での取り組みに精通しているという点が高く評価されました。

5月に行われた臨時理事会では、平島誉久副会長(互信ホールディングス社長)からの推薦により、唐神氏の人選が提案され、出席した理事らから反対意見はなく、拍手で了承されました。

唐神昌子とは?異色の経歴とリーダーシップ

唐神昌子氏のこれまでの経歴と観光業界における実績、そして今後にかける思いについて詳しく紹介します。

専業主婦から経営者へ

唐神昌子氏は、北海道・洞爺湖町(旧虻田町)の出身です。

もともとは専業主婦として家庭を支えていましたが、2008年に父であり創業者である唐神邦夫氏の急逝を受け、突然トーホウリゾートの専務として経営の道へ。

観光業の経験はなく、まさにゼロからのスタートでした。

それでも、現場に足を運び、従業員や取引先と向き合いながら経営のノウハウを身につけ、2009年には社長に就任。

現在では、登別・函館を中心に6つのホテルを展開する企業のトップとして、安定した成長を牽引しています。

観光業界での実績と信頼

2012年からは登別観光協会(現・登別国際観光コンベンション協会)の会長として、地域資源を活かした観光まちづくりに尽力。

また、宿泊業界のリーダーとして日本旅館協会北海道支部連合会の会長も務めました。

2023年には北海道観光機構の副会長に就任し、コロナ禍で打撃を受けた観光業界の立て直しに積極的に関わってきました。

こうした一連の実績と、現場への深い理解が、今回の会長選出につながったのです。

北海道観光への想いと今後の展望

唐神氏は会長就任にあたり、「大きな責任と覚悟を持ってお受けする」と語り、その真摯な姿勢が印象的でした。

訪日観光客の増加、地域間の観光格差、オーバーツーリズムなど、多くの課題に直面する北海道観光。

唐神氏は、道内各地の特性を活かしながら、持続可能な観光の実現と、観光消費の地域全体への波及を目指すとしています。


トーホウリゾートとは?地域とともに歩む観光企業

北海道の観光を支える企業として注目されるトーホウリゾートの事業展開と経営理念について紹介します。

登別・函館を拠点にホテル運営

トーホウリゾート株式会社は、1973年に設立された北海道札幌市本社の観光企業です。

登別温泉や函館湯の川温泉など、道内有数の観光地にホテルを構え、観光客に高品質な宿泊体験を提供しています。

代表的な運営ホテルには以下のような施設があります。

  • ホテルまほろば
  • 花ゆら
  • 雅亭
  • しおさい亭
  • 海羊亭

いずれも、温泉・食・おもてなしにこだわった人気宿として知られ、道内外からの旅行者に親しまれています。

地域連携と持続可能な観光の実践

トーホウリゾートは、地域との共生を重視した観光モデルを推進しています。

例えば、東川町との包括連携協定をはじめ、地方自治体と連携しながら観光によるまちづくりを支援。

また、北海道コンサドーレ札幌のトップパートナーとしてスポーツ支援にも注力し、地域社会とのつながりを深めています。

地元のイベントや祭りへの協賛も多く、単なるホテル経営にとどまらない地域貢献を行っているのが特徴です。

社風と経営理念に見る強さ

唐神社長の掲げる「顔が見える経営」を軸に、従業員一人ひとりが顧客と真摯に向き合う企業文化が根づいています。

社是「笑顔を、笑顔で、もっと笑顔に」には、顧客満足だけでなく、従業員の働きやすさをも大切にする姿勢が反映されています。

現在の従業員数は434名(パート含む)。

人材育成にも力を入れ、観光業におけるサービスの質と持続可能性を両立させる体制を築いています。

まとめ

北海道観光機構の新たな会長に就任する唐神昌子氏は、現場から経営を学び、北海道観光の最前線で実績を積んできた異色の経営者です。

専業主婦からトーホウリゾートのトップへ、そして観光機構の会長へと歩んできたその道のりは、まさに現場感覚と経営視点を兼ね備えたリーダーの証といえるでしょう。

今回の就任は、女性として初の会長という意義も大きく、業界にとっても一つの転換点。

地域密着の姿勢と実行力により、北海道観光が新たなステージへと進むことが期待されます。

観光は、北海道の未来を創る力。

唐神会長の手腕により、道内各地がさらに魅力ある観光地として発展することを願ってやみません。

そして私たち一人ひとりが、北海道を楽しみ、支える存在として、観光を盛り上げていきましょう。

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