2025年秋に実施される国勢調査を前に、札幌市では調査員の確保が大きな課題となっています。
とくに、若い世代からの応募が伸び悩み、自治体は対応に苦慮しています。
実はこの問題、札幌市だけの話ではありません。
北海道内の他の市町村でも、調査員の高齢化と人手不足は共通する悩みとなりつつあります。
この記事では、国勢調査員の仕事内容や応募条件、報酬などの基本情報をわかりやすく解説します。
国勢調査員に少しでも興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
- 国勢調査とはどのような調査か
- 国勢調査員の具体的な仕事内容
- 調査員に応募するための条件や必要なスキル
- 報酬の目安と働き方の実態
- 札幌市で調査員確保が難航している背景
国勢調査とは?5年に1度の全国規模の統計調査
国勢は、日本国内の全世帯と住民を対象に行われる、最も重要な統計調査です。
国勢調査の目的と活用分野
国勢調査の結果は、少子高齢化対策、防災計画、地方交付税の算定など、多くの行政施策の基礎資料として使われます。
国や自治体の政策を支える重要なデータとされ、住民一人ひとりの協力が欠かせません。
国勢調査の時期と実施単位
国勢調査は、5年に1度行われ、次回は、2025年10月1日が基準日です。
実施は、全国同時で、市町村が主体となり調査員を配置し、進められます。
調査の流れ
国勢調査員は、国勢調査区内の各世帯に調査票を手渡し、記入方法を説明します。
インターネットや郵送での回答がなかった世帯には、後日、訪問して調査票を回収。
その後、記載内容を確認し、指定の期日までに、自治体へ提出します。
国勢調査員の仕事内容と役割を解説
実際に、国勢調査員がどのような業務を担うのか、調査の流れに沿って紹介します。
担当区域の確認と説明会への参加
任命された国勢調査員は、まず、国勢調査員説明会に参加。
ここで、調査の進め方や留意点など、必要な知識を習得します。
担当する国勢調査区域(調査区)は、60~90世帯で構成。
国勢調査前に、地図などでエリアを確認し、全体像を把握することが求められます。
世帯訪問と調査書類の配布
9月下旬ごろから、各世帯を訪問し、調査票やインターネット回答用のIDなどを配布します。
このとき、国勢調査の目的や、調査票の記入方法を丁寧に説明し、住民の理解を得ることが重要です。
調査票の回収と提出、守秘義務の徹底
10月に入ると、未回答の世帯を再度訪問し、調査票の回収を行います。
調査票の回収後は、内容を点検し、指定の期日までに自治体へ提出。
国勢調査員には統計法に基づく守秘義務が課されており、業務で知り得た個人情報を漏らすことは一切許されません。

信頼性と責任感が強く求められる仕事です。
誰でもなれる?国勢調査員の応募条件と求められること
国勢調査員には特別な資格は不要ですが、一定の条件を満たす必要があります。
以下では、主な応募要件と、国勢調査員に求められる資質について解説します。
年齢と国籍の条件は?資格や学歴は不要
応募には、原則として、満20歳以上であることが求められます。
また、日本国籍を有するか、国内に住民登録のある方が対象です。
学歴や資格の有無は問われず、幅広い層が応募可能です。
守秘義務を守る責任と信頼性
国勢調査員は、世帯から得た情報を厳重に管理しなければなりません。
統計法に基づく守秘義務が課されており、信頼される対応が求められます。



誠実な姿勢と責任感が重視される仕事です。
地域理解と移動手段も重視される
国勢調査区域を歩いて訪問するため、土地勘のある人が歓迎されます。
また、自転車や自家用車など、円滑に移動できる手段があることも重要なポイントです。
報酬はいくら?副業としての魅力と現状の課題
2025年の国勢調査に向けて、札幌市は、調査員の報酬を引き上げる方針を発表しました。
報酬額や働き方の柔軟性、さらに、直面している人材確保の課題について紹介します。
1調査区あたりの報酬は最大4万5千円
札幌市は、調査区1区(約60世帯)あたりの報酬を、前回の約3万5千円から約4万5千円に増額すると発表しました。
調査区域は、1人で1〜2区を担当するケースが多いため、報酬は4〜9万円程度となる見込みです。
働き方は柔軟、副業や学生にもおすすめ
国勢調査の訪問や回収のタイミングは、ある程度自分の裁量で調整できます。
空いた時間に作業できるため、副業を探している社会人や、短期で働きたい学生にも適した働き方です。
応募者の高齢化と若年層の参加促進
現在、札幌市では、町内会関係者を中心に、1万人程度の調査員を確保しています。
ただし、公募対象の1,600人のうち、応募は、5月末時点で約570人にとどまっており、確保が難航しています。
調査員の平均年齢は、64歳と高齢化が進んでおり、市は「若い世代の力が必要」と積極的な応募を呼びかけています。



調査員の高齢化は、札幌市に限らず全国の自治体でも共通する傾向です。
各地で調査員の担い手確保が課題となっており、若年層の参加が期待されています。
まとめ|国勢調査員は地域を支える“縁の下の力持ち”
国勢調査員は、社会の重要な統計を支える大切な存在です。
特別な資格がなくても挑戦でき、報酬や柔軟な働き方にも注目が集まっています。
この記事の内容をまとめると、以下の通りです。
- 国勢調査は全国一斉に行われる5年に1度の重要な統計調査
- 調査員の仕事は、世帯訪問や書類配布・回収、データ整理が中心
- 応募条件に特別な資格は不要。20歳以上で守秘義務を守れる人が対象
- 報酬は調査区1区で最大約4万5千円に引き上げ
- 現在は高齢化が進んでおり、札幌市は若年層からの応募を強く求めている
地域の未来を支える仕事として、興味のある方はぜひ、応募を検討してみてください。