【弟子屈町】川湯温泉で星野リゾート撤退か?計画の概要や撤退検討の理由を解説

星野リゾート アイキャッチ

北海道・道東に位置する弟子屈町の川湯温泉で進められていた新たな宿泊施設建設計画が、大きな転換期を迎えています。

廃業したホテル跡地を活用し、星野リゾートが手がける高級旅館「界テシカガ」の開業が予定されていましたが、計画の推進に関わるマスタープランへの不満から、星野リゾートが撤退する方針を固めたことがわかりました。

地域の再生と観光振興を担うはずだったプロジェクトに何が起きたのか、その背景と今後の動きを詳しく解説します。

目次

川湯温泉の計画はどんなものだった?

川湯温泉で進められていた宿泊施設建設計画について、背景や概要を詳しくご紹介します。

環境省「国立公園満喫プロジェクト」の一環

道東・弟子屈町にある川湯温泉では、観光客誘致と温泉街再生を目指す取り組みが進められていました。

この計画は、環境省が全国の国立公園を対象に推進している「国立公園満喫プロジェクト」の一環としてスタート。

弟子屈町が廃業したホテルの債務や権利関係を整理し、整備した土地を環境省に寄付。

その上で、宿泊施設の建設・運営事業者を公募し、選ばれたのが星野リゾートでした。

国立公園内という特別な環境に配慮しながら、国内外から観光客を呼び込む拠点づくりが期待されていたのです。

星野リゾートの参画と計画内容

公募により建設事業者に選ばれた星野リゾートは、川湯温泉の再生に向けた中心的な役割を担う予定でした。

開発予定地は、旧川湯プリンスホテルと旧ホテル華の湯の跡地を含む約1万5800平方メートルの広大な敷地。

ここに、全国各地で高い評価を受けている星野リゾートの「界」ブランドの温泉旅館を建設し、2026年の開業を目指していました。

施設は約45室規模とされ、川湯温泉の自然や文化を生かした滞在体験を提供する計画でした。

さらに、温泉街全体の再活性化を目指す「マスタープラン」と連動し、地域全体に賑わいを生み出すことが期待されていました。

星野リゾート「界」とは

「界」は、星野リゾートが全国に展開する温泉旅館ブランドです。

コンセプトは「王道なのに、あたらしい。」。

伝統的な和の温泉旅館の魅力を大切にしつつ、現代的な快適さや地域ごとの個性を取り入れた、新しいスタイルの宿泊体験を提供しています。

各施設には「ご当地部屋」と呼ばれる客室があり、地元の伝統工芸や文化を感じられるデザインが施されています。

また、地元食材をふんだんに使った会席料理や、その土地ならではの文化体験「ご当地楽」なども人気の要素です。

温泉も、絶景を楽しめる露天風呂や、短期間でも温泉の効果を実感できる「現代湯治」プログラムなど、旅人が癒される工夫が凝らされています。

北海道では「界 ポロト」がすでにオープンしており、川湯温泉での新施設もまた、地域の魅力を最大限に引き出す存在になることが期待されていました。

星野リゾート撤退の理由は?

星野リゾートが川湯温泉での宿泊施設建設計画から撤退する方針を固めた背景には、町と環境省が推進していた「マスタープラン」の進め方に対する不満があったとされています。

都市計画マスタープランとは?

弟子屈町のマスタープランとは、川湯温泉街全体の活性化を目指す大きな構想であり、宿泊施設の建設だけでなく、温浴体験施設や屋台村の整備なども含まれていました。

しかし、星野リゾート側は、このマスタープランの具体化や推進体制に不安を抱いていたとみられています。

町と環境省、そして星野リゾートの間で十分な協議や合意形成がなされず、事業全体の進行にずれが生じていたことが、今回の撤退決断につながった可能性が高いです。

関係者によると、星野リゾートは町の担当者に対し、プロジェクトからの撤退を電子メールで正式に伝達。

併せて、今後はプロジェクト体制の解消手続きに移る意向を示しました。

現時点で、星野リゾートから公の場での詳しい説明は出ていないものの、事実上の撤退準備が進められていることが明らかになっています。

この決定は、川湯温泉の再生を期待していた地域関係者や町民にとって、大きな衝撃となっています。

長年温泉街の再建に向けて取り組んできた中での突然の動きだけに、困惑と今後への不安が広がっています。

今後はどうなる?

星野リゾートの撤退が現実味を帯びる中、川湯温泉の宿泊施設整備計画は大きな転換点を迎えています。

現在、弟子屈町や環境省は、正式な撤退通知を受け取っていないとしつつも、状況の確認と対応に追われている段階です。

今後、宿泊施設整備をどう進めるかは大きな課題となります。

既に廃業ホテルの解体や土地整備には国や町から多額の費用が投入されており、これを無駄にしないためにも、新たな事業者を探すか、計画そのものを見直すかの判断が求められます。

また、川湯温泉全体の再生を目指す「マスタープラン」自体の推進体制にも影響が及ぶことが懸念されています。

5月には環境省と町、星野リゾートの三者で協議の場が設けられる予定ですが、その結果次第では、計画の大幅な修正や再スタートも視野に入ってきます。

川湯温泉の未来にとって、今後の動きは極めて重要な局面を迎えています。

まとめ|川湯温泉の再生に向けた課題

川湯温泉で進められていた新たな宿泊施設計画は、大きな転換期を迎えています。

この記事の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 川湯温泉では環境省主導のプロジェクトで宿泊施設の整備計画が進められていた
  • 公募で星野リゾートが建設事業者に選ばれ、2026年開業を目指していた
  • しかし、温泉街活性化に向けたマスタープランの進め方に不満があり、星野リゾートが撤退方針を固めた
  • 町や環境省は現時点で正式な撤退通知を受けていないが、対応に追われている
  • 5月には環境省と町、星野リゾートの三者で協議の場が設けられる予定

今後の動きが川湯温泉の未来を大きく左右します。

続報にも注目しながら、地域の再生への取り組みを見守っていきましょう。

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