北海道千歳市に建てられている「ラピダス」という工場が、少し前にニュースやネットで話題になっていました。
でも、「ラピダスってなに?」「どこにできるの?」「うまくいくの?」と思っている人も多いかもしれません。
ラピダス(Rapidus)が話題になったのは、2022年11月ごろ。
このとき、日本の政府が中心となって会社を作り、「もう一度、日本の技術力を世界に!」という思いでスタートした大きなプロジェクトです。
この記事では、ラピダスについてまったく知らない人にもわかるように、できるだけやさしく・簡単に説明していきます!
- ラピダスってどんな会社?
- どうして北海道の千歳市にできるの?
- 工場はいつ・どこにオープンするの?
- ラピダスは北海道にどんな影響を与えるの?
- 「失敗するかも」という噂の理由は?
ラピダスって何?簡単に解説

まずは、ラピダスについて、どんな会社なのかや「ラピダス」という名前の由来などを解説します。
ラピダスとは半導体をつくる会社
ラピダスは、スマホ・パソコン・ゲーム機・車などに使われる「半導体(はんどうたい)」を作る会社です。
半導体は、いろいろな機械の「頭脳」のような部品。

いまの時代、半導体は、ほとんどの電子機器に必要だよ。
「半導体」ってそもそも何?
半導体は、電気を通したり止めたりする小さな部品で、スマホや家電など、私たちの生活に欠かせないものです。



半導体は、こんなイメージ↓


とても小さくて、でもとても大事。これがないと、今の暮らしは成り立ちません。
「ラピダス」という名前の意味は?
「ラピダス(Rapidus)」は、ラテン語で「速い・スピーディー」という意味があります。
世界でもトップレベルのスピードで、最新の半導体を作っていくという思いが込められています。
なぜ北海道の千歳が選ばれたの?
千歳が選ばれた理由は、広い土地・きれいな水・空港の近さがそろっているからです。
半導体を作るには大量のきれいな水が必要ですし、飛行機で物を運べる場所というのも大きなポイントでした。
ラピダスの工場はいつオープンするの?
工場は2025年に一部完成し、試しに作る「試作ライン」が動き始める予定です。
本格的な製造は、2027年ごろになるといわれています。
場所はどこ?
ラピダスの工場は、千歳市の「美々(びび)エリア」に建設中です。
新千歳空港から車で15分ほどの場所で、元々は企業向けに用意されていた広い土地です。
ラピダスができることで北海道にどんな影響があるの?


ラピダスの工場ができることで、千歳市だけでなく、北海道全体に広がるいろいろな良い変化が期待されています。
多くの人が働ける場所になる
ラピダスが本格的に動き出すと、何千人もの人が働くことになるといわれています。
工場の中で働く人だけでなく、食事や建物の管理、警備、保育など、いろんな分野でも人手が必要になります。
そのため、千歳市だけでなく、苫小牧・恵庭・札幌など周辺の市町村にも雇用が広がると期待されています。
さらに、これまで「地元に働き口が少ないから都会へ行こう」と考えていた若者が、北海道内に残って働くという新しい選択肢を持てるようになります。
町やインフラがもっと便利になるかも
ラピダスの工場ができることで、工事や人の流れが活発になります。
その影響で、道路の整備や信号の設置、新しいバス路線の開通など、町の交通インフラが充実するかもしれません。
また、社員向けの住宅・コンビニ・飲食店などの新しい施設が増える可能性もあります。
ラピダスで働く人だけでなく、住んでいる人にとっても、暮らしやすく便利な町になることが期待されています。
大学や学校とのつながりも生まれる
ラピダスは、北海道大学をはじめとする大学や高専と連携して、人材育成や研究開発を進める計画です。
たとえば――
- 北大と一緒に「次世代半導体」の研究を行う
- 地元の工業高校や高専と連携し、「地元から半導体技術者を育てる」
- 大学の学生がラピダスでインターンシップをする
といった形で、教育と産業が手を取り合う未来の町づくりが進んでいくかもしれません。



理系の勉強って、どこで役に立つんだろう?と思っていた学生たちが、地元で活躍できるようになるのは、すごく希望がありますね!
ラピダスは失敗する?と言われる理由をやさしく解説
ラピダスには大きな期待が集まっていますが、一方で「うまくいかないんじゃない?」という心配の声もあります。
ここでは、なぜそんな声が出ているのかを、簡単にわかりやすく説明します。
北海道は場所が不便?という声もある
ラピダスの工場が建てられている北海道千歳市は、東京や大阪からはかなり遠い場所です。
半導体の材料や部品は日本国内だけでなく、海外からもたくさん届きます。逆に、作った半導体も世界中に送り出さなければなりません。
でも、北海道は本州に比べて運ぶ時間もお金も多くかかるという点で、「不便なんじゃないか?」という声があるんです。
さらに、半導体はちょっとした衝撃や温度の変化にも弱いデリケートな部品なので、輸送中のトラブルも心配されています。
提携先が少し不安?という声も
ラピダスは、アメリカの「IBM(アイ・ビー・エム)」など、海外の企業と協力しています。
IBMはすごい会社ですが、今は実際に大量生産をしているわけではないので、「本当にちゃんと作れるのかな?」という不安の声もあります。
さらに、ラピダス自身もできたばかりの新しい会社なので、経験や実績が少ないのも事実です。



世界では、すでに台湾の「TSMC(ティー・エス・エム・シー)」や韓国の「Samsung(サムスン)」といった超有名な半導体企業が大きな力を持っているよね…
こうした中で、どうやってその競争に勝っていくのか?が大きな課題になっています。
半導体の世界は変化がとても早い
半導体の技術は、1年ごとにどんどん進化していきます。
「今、最新」と言われている技術も、数年たつとすぐに「もう古い」と言われてしまう世界です。
ラピダスが目指している「2ナノメートル」という超小型の半導体技術も、実現するころにはさらに新しい技術が登場している可能性もあります。
そのスピードについていくには、お金・人材・研究開発すべてがハイレベルで必要になります。
そこがうまくいかないと、せっかく工場を作っても「作るものが時代遅れ」なんてことになりかねないのです。



たしかに、ちょっと不安な声もあるけど、地元としては「チャレンジしてみよう」という前向きな気持ちも大きいです!町が元気になるといいなぁと思ってます。
この記事のまとめ


最後に、この記事のポイントをカンタンに振り返ります。
- ラピダスは、日本の最先端半導体を作るために生まれた会社です
- 北海道の千歳市に、2025年ごろから工場をつくる計画が進んでいます
- きれいな水、空港の近さ、広い土地が千歳にぴったりだったことが理由です
- 「失敗するかも?」という声もあるけど、町の発展・仕事の増加など大きな期待もあります
これからのラピダスの動きは、北海道だけでなく、日本の未来にもつながる大切なプロジェクトです。
今後のニュースにも注目してみてくださいね!