卓球・メディカルタイムアウトのルールを解説|張本美和が涙の抗議の理由は?

2025年8月9日、横浜で開催されたWTTチャンピオンズ卓球大会。

張本美和選手がメディカルタイムアウトに関する大会ルールへの不満を涙ながらに訴えました。

早田ひな選手との接戦最終ゲームで、早田選手のコーチが直接治療を行うという異例の対応が試合の流れを変え、張本美和選手の敗因となりました。

本記事では、張本美和選手の涙の訴えの詳細と卓球におけるメディカルタイムアウトのルールを解説します。

目次

張本美和が号泣した理由

張本美和、早田ひなとの激戦

2025年8月9日、横浜BUNTAIで開催されたWTTチャンピオンズ女子シングルス2回戦。

卓球女子日本代表の張本美和は、パリ五輪銅メダリスト・早田ひな(日本生命)と対戦。

試合は互いにゲームを取り合う接戦となり、最終ゲームに突入

張本選手は4-2とリードを奪い、勝利に近づいていました。

勝負を分けたメディカルタイムアウト

その時、早田選手が左腕の負傷治療のため、メディカルタイムアウトを申請

しかし、大会ドクターではなく、岡雄介コーチがマッサージを行い、試合は約5分間中断しました。

この間に試合の流れが変わり、再開後は張本選手が勢いを失い、最終的に7-11で敗戦となりました。

張本美和の涙と怒り

試合後、張本選手は

「メディカルタイムアウト自体には権利があるが、コーチが治療するのは疑問」

と強い思いを語りました。

また、「大会の治療スタッフがいる中で、自分のコーチが治療を行うことは公平性に欠ける」と指摘。

審判からの説明不足や対応にも不満を示し、大会ルールへの疑問と悔しさから涙を流しました。

何が問題?メディカルタイムアウトのルール解説

メディカルタイムアウトの基本

メディカルタイムアウトとは、卓球などの試合中に選手が負傷や体調不良を訴えた際、試合を一時中断して治療を受けられる制度です。

WTT(ワールドテーブルテニス)大会では、大会側の医療スタッフ(ドクターまたは公認トレーナー)が治療を行うことが原則

治療時間は最大3〜5分程度で、選手が安全に競技を続行できるよう配慮されています。

原則は大会の医療スタッフのみ対応

メディカルタイムアウトで、治療を担当できるのは大会が認定した医療スタッフのみ

理由は、治療の中立性と競技の公平性を確保するためです。

もしチーム関係者が治療を行えば、その間に戦術指示や精神的サポートを受ける可能性があり、公平性が損なわれかねません。

今回の試合で起きた異例の対応

今回のケースでは、早田ひな選手が最終ゲーム途中に左腕の負傷でメディカルタイムアウトを申請。

当初は大会医療スタッフが治療を行っていましたが、途中から所属チームの岡雄介コーチが直接マッサージを行いました。

この5分間の中断で、早田選手は回復と落ち着きを取り戻し、試合の流れが変わったと見られています。

コーチングの時間は限られている

卓球では、コーチが選手にアドバイスできる時間は厳密に決められています。

主な機会は以下の通りです。

  • セット間の休憩(通常1分)
  • 1試合につき1回、最大1分間の公式タイムアウト
  • 試合前の練習時間

メディカルタイムアウトは治療を目的とするため、原則として戦術指示は認められません。

しかし今回のようにコーチが直接治療を行えば、実質的なコーチング時間になる恐れがあり、張本選手が「疑問」としたのもこの点でした。

治療とコーチングの境界問題

卓球の国際大会では、特別な事情がある場合に、チームのコーチや専属トレーナーが治療を行うことが認められる場合があります。

しかし、この対応は治療行為とコーチング行為の境界が曖昧になるとして議論の対象になっています。

今回の張本美和選手と早田ひな選手の試合でも、治療中にコーチが直接介入したことが問題視されました。

治療中は本来、戦術指示や精神的サポートを行う場ではありません

それでも、同じチームのコーチが選手に触れ、会話することで戦術的影響が及ぶ可能性があります。

このため、選手やファンの間では「公平性を損なう恐れがある」という懸念が高まっています。

今後、国際卓球連盟や大会運営側がルールの明確化を求められる事例と言えるでしょう。

他のスポーツでの類似事例

スポーツでは試合の流れが非常に重要です。

タイムや治療による中断は、選手のパフォーマンスや心理面に大きな影響を与えることがあります。

卓球以外の競技でも、以下のような事例が存在します。

テニス:タイムアウトが心理的戦術に

プロテニスでは、トイレ休憩や治療タイムアウトが試合の流れを変える心理的戦術として利用されるケースが研究されています。

調査によると、バスルーム休憩後に逆転勝利が増えるなど、戦略的な中断が実際に結果に影響するデータもあります。

アメリカンフットボール(カレッジ):フェイク負傷へのルール改定

NCAA(全米大学体育協会)では、選手が負傷を装って試合を止める“フェイク負傷”が問題化

その対策として、医療スタッフが介入した場合、そのチームにタイムアウトを課す新ルールを2025-26シーズンから導入しました。

タイムアウトが残っていない場合には、5ヤードの遅延行為ペナルティが科されます。

このように、治療や中断は公平性や試合展開に直結します。

卓球界でもルールを明確にし、公平で透明性の高い運用が求められています。

張本美和選手の怒りの訴えの理由まとめ

この記事のまとめ

この記事では、張本美和選手と早田ひな選手の試合で起きた、メディカルタイムアウトをめぐる問題について解説しました。

メディカルタイムアウトは、選手の安全を守るための制度ですが、その運用や治療者の立場によっては、公平性の議論を呼ぶ場合があります。

この記事の内容をまとめると、以下の通りです。

  • 張本美和選手はWTTチャンピオンズ2回戦で涙と怒りを見せた
  • 試合終盤、早田選手がメディカルタイムアウトを申請
  • 大会ドクターではなく、岡雄介コーチが治療を行った
  • コーチ介入は戦術的影響を与える可能性がある
  • 他競技でも同様の問題が議論・ルール改定されている

今後、卓球界でもより透明で公平なルール運用が求められます。

ファンとしても、選手の努力が正当に評価される環境づくりを見守っていきたいですね。

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